ランチョンセミナー1

[LS1-1] 口腔乾燥患者が快適に使用できる新しい義歯安定剤

○角 保徳¹ (1. 国立長寿医療研究センター歯科口腔先端医療開発センター)

【略歴】
1981年　東京医科歯科大学歯学部卒業
1985年　名古屋大学大学院医学研究科修了（医学博士）　
1990年　名古屋大学医学部講師
2011年　国立長寿医療研究センター　歯科口腔先進医療開発センター　歯科口腔先端診療開発部部長
2014年　国立長寿医療研究センター　歯科口腔先進医療開発センター　センター長　現在に至る
客員教授：岡山大学，徳島大学，松本歯科大学，岩手医科大学，鹿児島大学
非常勤講師：東京医科歯科大学，鶴見大学，松本歯科大学，昭和大学，徳島大学，岩手医科大学，朝日大学，東京歯科大学
日本老年歯科医学会理事，専門医・指導医
日本口腔外科学会　専門医・指導医
Geriatrics and Gerontology International Associated Editor

われわれ歯科医師は患者さんにとって快適な義歯を製作するために日々努力をしていますが，口腔局所や全身状態が原因で患者さんが痛みや違和感を訴えることはないでしょうか？　これらの症状の原因の一つに“口腔乾燥”があります。口腔乾燥症により唾液が少なくなると義歯は吸着しにくくなるとともに，義歯と粘膜とが擦れて痛みや違和感が生じます。そのような場合，一般的な義歯安定剤を使用すると唾液が少ないので期待される粘着力が発揮できないうえ，口腔内の水分が義歯安定剤に吸収され，乾燥状態を助長，痛みや違和感がかえってひどくなる恐れがあります。また，口腔保湿ジェルを使用する場合もありますが，義歯安定剤としての適応はなく，粘着力も一時的であるため適切ではありません。そこでわれわれは，このような諸問題を解決するために新しい義歯安定剤を開発しました。本セミナーでは新しく開発した義歯安定剤の開発背景や特長などを紹介いたします。