[O1-12] 高齢者オーラルフレイル予防の魚肉ペプチド臨床応用への基礎的検討
―歯科・栄養連携による新しい臨床展開―
【目的】
障害者や高齢者の歯の喪失による口腔機能の低下は,低栄養,サルコペニアと関連してフレイル,オーラルフレイルを引き起こすが,低栄養に関する栄養学的観点からのオーラルフレイル予防の臨床応用の試みはまだ少ない。私たちはこの臨床応用を実現するため,食品由来魚肉タンパク(Fish protein;FP)ペプチド(FP peptide;FPP)の筋機能に必要な栄養素であるタンパクの栄養吸収に対する検討と歯周病を含む生活習慣病の原因となる活性酸素種(Reactive Oxygen Species;ROS)に対する効果を検討したので報告する。
【方法】
本研究では,ラットを用いた吸収試験を実施し,FPの生体内での窒素利用効率について,比較対象としてカゼイン(Control;C)を用い検討した。さらに大豆タンパク質(Soybean Protein;SP)および大豆タンパク質由来ペプチド(SP peptide;SPP)とも比較検討してタンパク質効率を検討した。さらに,ROSであるヒドロキシラジカル(HO•)の消去能を電子スピン共鳴法によりFPPとSPPを用いてHO•消去能を比較検討した。
【結果と考察】
タンパク質効率はC群,SP群,FP群の中でFPP群が一番高かった。HO•産生に対する消去能においては,FPはSPに比べ有意に亢進した。フレイルにおける筋機能改善にはタンパク質補給が重要である。FPPは良質で,タンパク補給が可能であり,ROSによる酸化ストレスによる全身疾患を予防する可能性示唆された。今後このFPPを用いて,オーラルフレイル予防を歯科・栄養士連携で取り組む臨床展開についても議論したい。
障害者や高齢者の歯の喪失による口腔機能の低下は,低栄養,サルコペニアと関連してフレイル,オーラルフレイルを引き起こすが,低栄養に関する栄養学的観点からのオーラルフレイル予防の臨床応用の試みはまだ少ない。私たちはこの臨床応用を実現するため,食品由来魚肉タンパク(Fish protein;FP)ペプチド(FP peptide;FPP)の筋機能に必要な栄養素であるタンパクの栄養吸収に対する検討と歯周病を含む生活習慣病の原因となる活性酸素種(Reactive Oxygen Species;ROS)に対する効果を検討したので報告する。
【方法】
本研究では,ラットを用いた吸収試験を実施し,FPの生体内での窒素利用効率について,比較対象としてカゼイン(Control;C)を用い検討した。さらに大豆タンパク質(Soybean Protein;SP)および大豆タンパク質由来ペプチド(SP peptide;SPP)とも比較検討してタンパク質効率を検討した。さらに,ROSであるヒドロキシラジカル(HO•)の消去能を電子スピン共鳴法によりFPPとSPPを用いてHO•消去能を比較検討した。
【結果と考察】
タンパク質効率はC群,SP群,FP群の中でFPP群が一番高かった。HO•産生に対する消去能においては,FPはSPに比べ有意に亢進した。フレイルにおける筋機能改善にはタンパク質補給が重要である。FPPは良質で,タンパク補給が可能であり,ROSによる酸化ストレスによる全身疾患を予防する可能性示唆された。今後このFPPを用いて,オーラルフレイル予防を歯科・栄養士連携で取り組む臨床展開についても議論したい。