一般社団法人日本老年歯科医学会 第29回学術大会

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一般演題口演

実態調査

実態調査

2018年6月22日(金) 14:10 〜 14:40 第3会場 (6F 大会議室)

座長:羽村 章(日本歯科大学生命歯学部高齢者歯科学)

[O1-21] 市中病院におけるがん周術期口腔機能管理患者(Ⅱ)の傾向と術後呼吸器感染症の調査

○尾崎 研一郎1,2、寺中 智1,2、岡田 猛司1、水口 俊介2 (1. 足利赤十字病院リハビリテーション科、2. 東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科高齢者歯科学分野)

【目的】
 当院におけるがん周術期口腔機能管理患者(Ⅱ)の傾向と術後の呼吸器感染症の頻度を調査すること。
【方法】
 対象期間は2015年2月から2016年3月までとした。対象患者は予定入院にて全身麻酔前3日以内に歯科介入ができた悪性腫瘍患者553名とした。DPCデータベースより性別,年齢,Body Mass Index(BMI),入院期間について調査した。また診療録より悪性腫瘍の部位,入院時の併存疾患,術後の呼吸器感染症を確認,歯科データベースより介入内容について後方視的に調査した。
【結果と考察】
 対象患者は男性301名,女性252名,平均年齢66±12歳,BMI 24±11,入院期間は15±14日であった。悪性腫瘍の部位別においては下部消化管(直腸,結腸,盲腸)123名(22%),泌尿器(膀胱,前立腺,精巣) 104名(19%),乳 79名(14%),胃 64名(12%),子宮と卵巣 51名(9%),頭頸部 43名(8%),肝胆膵 32名(6%),腎臓 17名(3%),肺 16名(3%),食道 5名(1%),その他もしくは不明 19名(3%)であった。入院時の併存疾患(重複有り)は高血圧症 197名(36%),糖尿病 111名(20%),心疾患 99名(18%)と続いた。術後の呼吸器感染症は4名(0.7%)であった。歯科介入内容は衛生管理のみ 494名(89%),衛生管理と義歯治療 21名(4%),衛生管理と抜歯12名(2%)と続いた。
 術後の呼吸器感染症は0.7%であり低く抑えられていたが,これは呼吸器感染症を起こしやすい肺や食道,頭頸部の悪性腫瘍症例が少ないことが1つの要因と考えられた。今後は歯科介入前後での比較を行う予定である。