[O1-22] 咬筋体積の簡易測定法の検討とサルコペニアとの関連性
【目的】
口腔機能の低下とサルコペニアの関連が注目されてきている中,栄養摂取に関連する咀嚼筋の筋量を測定する意義は大きい。しかし咬筋体積の測定にはMRI等歯科の日常臨床や集団健診では実施困難な機器を必要とする。そこで咬筋体積を簡易に推定する方法を開発しMRIによる咬筋体積と比較する事で妥当性の検証を行った。また推定咬筋体積とサルコペニアの関連についても検討した。
【方法】
C県K市在住の地域在住高齢者53名(平均年齢72.9±4.5歳,女性32名)を対象とした。咬筋体積はMRI T1強調画像を撮影し咬筋の横断面をトレース・三次元構築し算出した。簡易評価法としてノギスにて咬筋の起始から停止までの長さと前後径を計測し,超音波画像計測装置を用いて咬筋の厚みも計測した。これら三辺を掛け合わせ推定咬筋体積とした。残存歯数や機能歯数,咬合力も調査した。サルコペニアはAsia Working Group for Sarcopeniaの診断項目を測定し,その基準に従い判定した。
【結果と考察】
ノギスと超音波画像計測装置による推定咬筋体積はMRIによる咬筋体積と有意な相関(r=0.903)を認め,簡易評価法として十分な結果が得られた。全対象者中サルコペニアに該当したのは8名,プレサルコペニアは22名であった。サルコペニアの段階での推定咬筋体積の差をみたところ,男性では非サルコペニアとプレサルコペニアに差はなかったが,サルコペニアでは有意に低かった。一方,女性ではプレサルコペニアの段階から有意に低く,サルコペニアでは更に低値を示した。以上よりサルコペニアが疑われる高齢者,特に女性においては咬筋量の減少も疑い簡易評価法を用いて評価する必要性が示唆された。
口腔機能の低下とサルコペニアの関連が注目されてきている中,栄養摂取に関連する咀嚼筋の筋量を測定する意義は大きい。しかし咬筋体積の測定にはMRI等歯科の日常臨床や集団健診では実施困難な機器を必要とする。そこで咬筋体積を簡易に推定する方法を開発しMRIによる咬筋体積と比較する事で妥当性の検証を行った。また推定咬筋体積とサルコペニアの関連についても検討した。
【方法】
C県K市在住の地域在住高齢者53名(平均年齢72.9±4.5歳,女性32名)を対象とした。咬筋体積はMRI T1強調画像を撮影し咬筋の横断面をトレース・三次元構築し算出した。簡易評価法としてノギスにて咬筋の起始から停止までの長さと前後径を計測し,超音波画像計測装置を用いて咬筋の厚みも計測した。これら三辺を掛け合わせ推定咬筋体積とした。残存歯数や機能歯数,咬合力も調査した。サルコペニアはAsia Working Group for Sarcopeniaの診断項目を測定し,その基準に従い判定した。
【結果と考察】
ノギスと超音波画像計測装置による推定咬筋体積はMRIによる咬筋体積と有意な相関(r=0.903)を認め,簡易評価法として十分な結果が得られた。全対象者中サルコペニアに該当したのは8名,プレサルコペニアは22名であった。サルコペニアの段階での推定咬筋体積の差をみたところ,男性では非サルコペニアとプレサルコペニアに差はなかったが,サルコペニアでは有意に低かった。一方,女性ではプレサルコペニアの段階から有意に低く,サルコペニアでは更に低値を示した。以上よりサルコペニアが疑われる高齢者,特に女性においては咬筋量の減少も疑い簡易評価法を用いて評価する必要性が示唆された。