The 29th Congress of the Japanese Society of Gerodontology

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一般演題口演

実態調査

実態調査

Fri. Jun 22, 2018 3:10 PM - 3:40 PM 第3会場 (6F 大会議室)

座長:玄 景華(朝日大学歯学部口腔病態医療学講座障害者歯科学分野)

[O1-27] 当院で胃瘻造設となった患者の状態と経口摂取の状況

○濱 芳央子1、岩佐 康行1、高松 直美1 (1. 原土井病院 歯科)

【目的】
 平成26年度診療報酬改定後の胃瘻造設(PEG)患者の状況を調査,検討した。
【方法】
 2015年に当院でPEGとなった患者の年齢,既往歴,入院理由,機能的自立度評価法(FIM),血清アルブミン値(ALB),PEG前の歯科関与の有無,胃瘻造設時嚥下機能評価(VF)の有無,PEG前後の経口摂取の有無,PEG後の生存率について後ろ向きに調査した。また,2002~2005年のPEG患者数,年齢,歯科関与の有無,VFの有無と比較した。
【結果】
 対象は41名(男13:女28)で,平均年齢81.6歳。既往歴は認知症14名,脳血管疾患12名,パーキンソン病3名,脊髄小脳変性症2名など。入院理由は誤嚥性肺炎13名,経口摂取困難12名など。FIMは平均27.3,PEG前の絶食29名(70.7%)でALBは平均2.69。歯科関与有りは34名(82.9%)で,VF有りは13名(31.7%),PEG後12名(29.3%)に経口摂取を試して,継続できたのは5名(12.9%)。30日生存率は95.1%,半年後75.6%,1年後63.4%であった。2002~2005年のPEG患者は327名,平均82.8歳。歯科関与有りは116名(35.5%),VF有りは95名(29.1%)であった。
【考察】
 2002~2005年と比べてPEGの数は半減し,歯科の関与は8割に増加していた。近年のPEGの適応を見直す動きや,診療報酬改定の影響が考えられたが,VFの実施は3割で変化がなかった。患者の状態を考慮して,主治医がVFは不要と判断した可能性がある。PEG後に経口摂取が可能な者は1割ながら6割が1年以上生存している状況で,歯科がどう関与するのかを考える必要がある。