The 29th Congress of the Japanese Society of Gerodontology

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一般演題口演

口腔機能

口腔機能

Sat. Jun 23, 2018 10:20 AM - 10:50 AM 第3会場 (6F 大会議室)

座長:服部 佳功(東北大学大学院歯学研究科加齢歯科学分野)

[O2-5] 舌の挙上訓練と舌圧の関連について

○上村 優介1、楠 尊行2、奥野 健太郎2、川本 章代2、髙橋 一也2 (1. 大阪歯科大学大学院歯学研究科(高齢者歯科学専攻)、2. 大阪歯科大学高齢者歯科学講座)

【背景】
 舌は食塊形成や移送など摂食嚥下の中心的役割を果たす。よって摂食嚥下の機能評価において舌圧を評価することは重要である。
 舌運動の訓練方法や強度に関しては,Robbins Jの提唱する訓練法を含めいくつか存在する。
 そこで舌の持久力を向上させる目的で訓練を行い,舌圧と舌の巧緻性の変化について検討した。
【方法】
 対象者は施設入所高齢者9名(男性4名,女性5名,平均年齢84.7±7.9歳)。性別,摂食嚥下グレード,Eichner分類がなるべく同じになるよう2群に分けた。訓練は最大舌圧でスプーンを押し上げる動作とした。各群は1セッションにつき10秒間舌を挙上させ保持し,1日3セッションを週3日行う5名の群(以下,10秒群)と,1セッションにつき10回の反復挙上,1日3セッションを週3日行う4名の群(以下,10回群)とした。訓練は2ヵ月間行い,1ヵ月毎にJMS舌圧測定器(JMS社製)で舌圧の計測,パタカウンタ(アプリケーション)でオーラルディアドコキネシスを計測した。
【結果と考察】
 舌圧は1ヵ月後,10回群では平均3.2㎪増加,10秒群では平均8.8㎪増加,2ヵ月後,10回群では平均4.7㎪増加,10秒群では平均9.6㎪増加した。
 オーラルディアドコキネシスは1ヵ月後,10回群ではパ音+0.5,タ音+2.5,カ音+3.3,10秒群ではパ音+1.6,タ音+5.6,カ音+5.2となった。2ヵ月後,10回群ではパ音+1.0,タ音+4.8,カ音+10.3,10秒群ではパ音+3.2,タ音+9.8,カ音+9.8となった。
 10秒群で有意に舌圧の向上を認めたことから,持久力を向上させる訓練の方が舌圧を上昇させる可能性があることが示唆された。