[O2-6] 口腔機能低下に対する症型分類の試み
【目的】
口腔機能の低下は摂食機能障害の前駆段階と考えられ,専門医療機関だけでなく歯科診療所での対応が勧められている。今回,摂食困難を訴えて来院した患者における口腔機能低下の病態を把握するために,症型分類の作成を試みた。
【対象と方法】
当クリニックを受診した65歳以上の外来患者のうち,舌圧,グミゼリーによる咀嚼機能検査(グミ咀嚼),ディアドコキネシス(ODK),嚥下内視鏡検査または嚥下造影検査による嚥下機能検査を実施した72名(男性45名,女性27名,平均年齢78.5±6.5歳)を対象とした。現在歯数から咬合維持群:20歯以上(39名)と咬合崩壊群;20歯未満(33名)に分け,基準を舌圧:30kPa,ODK:6回,グミ咀嚼100または150mg/dlに設定し検討した。
【結果と考察】
咬合維持群において,舌圧が基準値未満(27名)でグミ咀嚼が100ml/dl未満の者は3名であり,誤嚥を示した者は存在しなかった。一方,グミ咀嚼が150ml/dl未満の者は14名存在し,4名が誤嚥を示した。さらに,咬合崩壊群において,舌圧が基準値未満(26名)のうち,グミ咀嚼が100ml/dl未満の者は12名であり,誤嚥を示した者は5名存在した。グミ咀嚼が150ml/dl未満の者は19名存在し,7名が誤嚥を示した。各検査結果を基準とし,症型分類することで,口腔機能低下の原因が明らかとなり,治療方針の設定が可能となった。また,咬合支持の状態によってグミ咀嚼の基準値を変えて症型分類する必要があると考えられた。
口腔機能の低下は摂食機能障害の前駆段階と考えられ,専門医療機関だけでなく歯科診療所での対応が勧められている。今回,摂食困難を訴えて来院した患者における口腔機能低下の病態を把握するために,症型分類の作成を試みた。
【対象と方法】
当クリニックを受診した65歳以上の外来患者のうち,舌圧,グミゼリーによる咀嚼機能検査(グミ咀嚼),ディアドコキネシス(ODK),嚥下内視鏡検査または嚥下造影検査による嚥下機能検査を実施した72名(男性45名,女性27名,平均年齢78.5±6.5歳)を対象とした。現在歯数から咬合維持群:20歯以上(39名)と咬合崩壊群;20歯未満(33名)に分け,基準を舌圧:30kPa,ODK:6回,グミ咀嚼100または150mg/dlに設定し検討した。
【結果と考察】
咬合維持群において,舌圧が基準値未満(27名)でグミ咀嚼が100ml/dl未満の者は3名であり,誤嚥を示した者は存在しなかった。一方,グミ咀嚼が150ml/dl未満の者は14名存在し,4名が誤嚥を示した。さらに,咬合崩壊群において,舌圧が基準値未満(26名)のうち,グミ咀嚼が100ml/dl未満の者は12名であり,誤嚥を示した者は5名存在した。グミ咀嚼が150ml/dl未満の者は19名存在し,7名が誤嚥を示した。各検査結果を基準とし,症型分類することで,口腔機能低下の原因が明らかとなり,治療方針の設定が可能となった。また,咬合支持の状態によってグミ咀嚼の基準値を変えて症型分類する必要があると考えられた。