[O2-8] 要介護者等に対する訓練器具を用いた口腔機能トレーニングの全身機能に及ぼす効果について
【目的】
超高齢社会でますます増加するオーラルフレイルや口腔機能低下症に対して,口腔機能を維持回復させる訓練方法の確立が強く求められている。本庄市児玉郡歯科医師会では10年前より訓練器具を用いた口腔機能トレーニングに取り組んでおり,昨年からはリハビリ病院において理学療法士と協働し要介護者等に対して口腔トレーニングを行っている。器具を用いた独自のトレーニング方法が,口腔機能と全身機能に及ぼす効果について検証する。
【対象および方法】
対象者は長期的にトレーニングを継続できる病院内通所リハビリテーションを利用中の要支援・要介護者のうち,事前アンケートで口腔機能低下症が疑われる45名とした。訓練方法は,口腔機能訓練器具「エントレ」を用いた独自の体操を指導し,施設および居宅でのトレーニングを実施した。口腔機能の検査としては本学会見解論文に準拠した7項目および口輪筋について,全身機能の検査としては肺活量,握力,ファンクショナルリーチ,5m歩行速度について測定し,トレーニング開始前後での変化を検討した。研究期間は1年間とし,季節変動を踏まえて測定は3ヵ月ごととする。
【結果と考察】
3ヵ月後に測定したところ,口腔機能ではTCI,口輪筋,舌圧の測定平均値において,全身機能では肺活量と5m歩行速度においてt検定による有意な改善を認めた。他の項目についても同等または良好な測定結果が得られており,本トレーニング方法が口腔周囲筋のみならず,鼻呼吸の促進により呼吸筋群にも運動刺激が及ぶことで,全身の筋力や身体バランス能力の向上にも有効である可能性が示唆された。今後,要介護者等の自立支援を目的としたケアの一助になりうると期待される。
超高齢社会でますます増加するオーラルフレイルや口腔機能低下症に対して,口腔機能を維持回復させる訓練方法の確立が強く求められている。本庄市児玉郡歯科医師会では10年前より訓練器具を用いた口腔機能トレーニングに取り組んでおり,昨年からはリハビリ病院において理学療法士と協働し要介護者等に対して口腔トレーニングを行っている。器具を用いた独自のトレーニング方法が,口腔機能と全身機能に及ぼす効果について検証する。
【対象および方法】
対象者は長期的にトレーニングを継続できる病院内通所リハビリテーションを利用中の要支援・要介護者のうち,事前アンケートで口腔機能低下症が疑われる45名とした。訓練方法は,口腔機能訓練器具「エントレ」を用いた独自の体操を指導し,施設および居宅でのトレーニングを実施した。口腔機能の検査としては本学会見解論文に準拠した7項目および口輪筋について,全身機能の検査としては肺活量,握力,ファンクショナルリーチ,5m歩行速度について測定し,トレーニング開始前後での変化を検討した。研究期間は1年間とし,季節変動を踏まえて測定は3ヵ月ごととする。
【結果と考察】
3ヵ月後に測定したところ,口腔機能ではTCI,口輪筋,舌圧の測定平均値において,全身機能では肺活量と5m歩行速度においてt検定による有意な改善を認めた。他の項目についても同等または良好な測定結果が得られており,本トレーニング方法が口腔周囲筋のみならず,鼻呼吸の促進により呼吸筋群にも運動刺激が及ぶことで,全身の筋力や身体バランス能力の向上にも有効である可能性が示唆された。今後,要介護者等の自立支援を目的としたケアの一助になりうると期待される。