[O2-16] 咀嚼機能食品摂取における咀嚼活動と口腔機能低下との関連性
【目的】
フレイル予防のためには,栄養価が高く高タンパクな食事とそれを食べられる口腔機能が必要である。そこで今回,われわれが開発した噛みごたえのある咀嚼機能食品を地域在住の高齢者が摂取したときの咀嚼嚥下活動と口腔機能低下との関連性について検討した。
【方法】
研究に同意した地域在住高齢者32名(男性8名,平均年齢75.5歳)を対象とし,口腔機能低下症の7項目を測定した。第一四分位の近似値をカットオフ値とし,項目ごとに2群に分けた。3種類の咀嚼機能食品およびその対照食品各10gを被検者にランダムに摂取させ,食品摂取中の咬筋活動を表面筋電図で記録した。記録したデータから,咀嚼回数と筋活動量(筋電位の時間積分値)を計測した。口腔機能各項目で,機能低下の有無により,咀嚼回数と筋活動量とに差が出るか統計学的に検討した。
【結果】
咬合力,舌口唇運動機能および咀嚼機能では,低下群で咀嚼回数と筋活動量が減少する傾向にあったが,舌圧では,低下群で咀嚼回数と筋活動量が増加する傾向にあった。しかし,いずれも統計学的有意な差は認められなかった。そこで,咬合力,舌口唇運動機能,咀嚼機能の3項目のうち,いずれか一つでも低下している群と,低下していない群とを比較したところ,食品による差はあるが,機能低下群で,一部の食品の咀嚼回数が有意に減少していた。
【考察】
咀嚼嚥下活動は,口腔,咽頭の統合された感覚,運動機能によってなされる。本結果より,一部の口腔の筋力や運動機能の低下が,食品摂取中の咀嚼活動に影響することが示唆された。フレイル予防のための適切な食事摂取のためには,口腔機能の維持が重要であることが考えられた。
フレイル予防のためには,栄養価が高く高タンパクな食事とそれを食べられる口腔機能が必要である。そこで今回,われわれが開発した噛みごたえのある咀嚼機能食品を地域在住の高齢者が摂取したときの咀嚼嚥下活動と口腔機能低下との関連性について検討した。
【方法】
研究に同意した地域在住高齢者32名(男性8名,平均年齢75.5歳)を対象とし,口腔機能低下症の7項目を測定した。第一四分位の近似値をカットオフ値とし,項目ごとに2群に分けた。3種類の咀嚼機能食品およびその対照食品各10gを被検者にランダムに摂取させ,食品摂取中の咬筋活動を表面筋電図で記録した。記録したデータから,咀嚼回数と筋活動量(筋電位の時間積分値)を計測した。口腔機能各項目で,機能低下の有無により,咀嚼回数と筋活動量とに差が出るか統計学的に検討した。
【結果】
咬合力,舌口唇運動機能および咀嚼機能では,低下群で咀嚼回数と筋活動量が減少する傾向にあったが,舌圧では,低下群で咀嚼回数と筋活動量が増加する傾向にあった。しかし,いずれも統計学的有意な差は認められなかった。そこで,咬合力,舌口唇運動機能,咀嚼機能の3項目のうち,いずれか一つでも低下している群と,低下していない群とを比較したところ,食品による差はあるが,機能低下群で,一部の食品の咀嚼回数が有意に減少していた。
【考察】
咀嚼嚥下活動は,口腔,咽頭の統合された感覚,運動機能によってなされる。本結果より,一部の口腔の筋力や運動機能の低下が,食品摂取中の咀嚼活動に影響することが示唆された。フレイル予防のための適切な食事摂取のためには,口腔機能の維持が重要であることが考えられた。