[O2-19] 当院における口腔内カンジダ菌検出要因の検討
【目的】
高齢者の歯科医療において,舌に痛みや違和感を訴える症例を経験する。今回,自覚症状を認める症例のうち,明らかな病変を認めない症例について実施した真菌培養同定検査の結果について報告する。
【方法】
平成26年8月から平成29年12月までに当科を受診した患者で,舌症状を訴えた患者のうち,明らかな病変を認めない患者について真菌培養同定検査を行った。対象者はのべ115名(男性26名,女性89名)で,平均年齢は79.1±11.3歳であった。義歯使用の有無とカンジダ菌検出の相関,義歯使用の有無と菌種の相関,年齢および性別とカンジダ菌検出の相関を比較した。
【結果】
73名にカンジダ菌を検出し,C. albicans 56例,C. glabrata 25例,C. tropicallis 6例,C. parapsirosis 3例を認めた。義歯使用群(陽性57名,陰性25名)では義歯非使用群(陽性16名,陰性17名)に比し有意にカンジダ菌検出率が増加した(p<0.05)。カンジダ陽性群の年齢(81.1±8.8歳)は,カンジダ陰性群の年齢(75.6±14.1歳)に比し有意に高く(p<0.05),カンジダ菌検出率における性差は認めなかった(p=0.82)。C. albicans,C. glabrata,C. tropicallisの検出率は,義歯非使用群に比し義歯使用群で有意に増加した(p<0.05)。
【考察】
今回の結果は,義歯使用と加齢が口腔カンジダ菌検出の要因になることを示唆した。今回検出された4菌種のうち,3菌種において義歯使用が検出の要因になることが示唆された。今後観察期間を延長し,菌種と各要因との相関の更なる検索が必要と考える。
高齢者の歯科医療において,舌に痛みや違和感を訴える症例を経験する。今回,自覚症状を認める症例のうち,明らかな病変を認めない症例について実施した真菌培養同定検査の結果について報告する。
【方法】
平成26年8月から平成29年12月までに当科を受診した患者で,舌症状を訴えた患者のうち,明らかな病変を認めない患者について真菌培養同定検査を行った。対象者はのべ115名(男性26名,女性89名)で,平均年齢は79.1±11.3歳であった。義歯使用の有無とカンジダ菌検出の相関,義歯使用の有無と菌種の相関,年齢および性別とカンジダ菌検出の相関を比較した。
【結果】
73名にカンジダ菌を検出し,C. albicans 56例,C. glabrata 25例,C. tropicallis 6例,C. parapsirosis 3例を認めた。義歯使用群(陽性57名,陰性25名)では義歯非使用群(陽性16名,陰性17名)に比し有意にカンジダ菌検出率が増加した(p<0.05)。カンジダ陽性群の年齢(81.1±8.8歳)は,カンジダ陰性群の年齢(75.6±14.1歳)に比し有意に高く(p<0.05),カンジダ菌検出率における性差は認めなかった(p=0.82)。C. albicans,C. glabrata,C. tropicallisの検出率は,義歯非使用群に比し義歯使用群で有意に増加した(p<0.05)。
【考察】
今回の結果は,義歯使用と加齢が口腔カンジダ菌検出の要因になることを示唆した。今回検出された4菌種のうち,3菌種において義歯使用が検出の要因になることが示唆された。今後観察期間を延長し,菌種と各要因との相関の更なる検索が必要と考える。