[O2-25] 義歯に付着するカンジダに関する臨床的検討(第2報)
【目的】
義歯は口腔カンジダ症の重要なリスク因子で,カンジダのリザーバーである。義歯へのカンジダ付着の関連因子が把握できれば高齢者の義歯管理に役立つと思われる。そこで本研究では,カンジダが新義歯に付着するまでの期間とその関連因子を検討した(北大自主臨床研究番号014-0054)。
【対象】
当科で口蓋全体を被覆する新製上顎義歯を製作・装着後に,1年間に亘って定期的に経過観察が可能であった32例。男性11例,女性21例,平均年齢69歳。
【方法】
新義歯装着時およびその後1・3・6・9・12ヵ月に①義歯粘膜面,②義歯床下粘膜,③口内リンス液の3種から検体を採取し,クロモアガー培地で培養後,菌種とコロニー数(CFU/ml)を測定し,義歯粘膜面のカンジダ付着の有無と関連因子との関係を検討した。
[関連因子]年齢,性別,既往疾患,常用薬剤,安静時唾液分泌量,柿木分類,義歯の既往,下顎義歯の有無,義歯清掃状況,口腔内一般細菌数。
【結果と考察】
カンジダが新義歯装着1年間で1度も義歯粘膜面に付着しなかったのは,32例中13例(41%)であった。それ以外の19例中15例は,義歯装着後1ヵ月で付着が認められた。義歯装着時にカンジダの保菌状態(義歯床下粘膜および口内リンス液が陽性)であった14例中11例(78%)は,義歯装着後1ヵ月で義歯粘膜面にカンジダの付着が認められたが,陰性であった8例中7例(88%)は,12ヵ月後も付着は認めなかった。関連因子では,義歯のカンジダ付着が安定しなかった8例を除き,カンジダ付着群11例と非付着群13例で比較したところ,柿木分類,義歯清掃状況の2項目で有意差を認めた。新義歯装着前からの口腔保清の重要性が示唆された。
義歯は口腔カンジダ症の重要なリスク因子で,カンジダのリザーバーである。義歯へのカンジダ付着の関連因子が把握できれば高齢者の義歯管理に役立つと思われる。そこで本研究では,カンジダが新義歯に付着するまでの期間とその関連因子を検討した(北大自主臨床研究番号014-0054)。
【対象】
当科で口蓋全体を被覆する新製上顎義歯を製作・装着後に,1年間に亘って定期的に経過観察が可能であった32例。男性11例,女性21例,平均年齢69歳。
【方法】
新義歯装着時およびその後1・3・6・9・12ヵ月に①義歯粘膜面,②義歯床下粘膜,③口内リンス液の3種から検体を採取し,クロモアガー培地で培養後,菌種とコロニー数(CFU/ml)を測定し,義歯粘膜面のカンジダ付着の有無と関連因子との関係を検討した。
[関連因子]年齢,性別,既往疾患,常用薬剤,安静時唾液分泌量,柿木分類,義歯の既往,下顎義歯の有無,義歯清掃状況,口腔内一般細菌数。
【結果と考察】
カンジダが新義歯装着1年間で1度も義歯粘膜面に付着しなかったのは,32例中13例(41%)であった。それ以外の19例中15例は,義歯装着後1ヵ月で付着が認められた。義歯装着時にカンジダの保菌状態(義歯床下粘膜および口内リンス液が陽性)であった14例中11例(78%)は,義歯装着後1ヵ月で義歯粘膜面にカンジダの付着が認められたが,陰性であった8例中7例(88%)は,12ヵ月後も付着は認めなかった。関連因子では,義歯のカンジダ付着が安定しなかった8例を除き,カンジダ付着群11例と非付着群13例で比較したところ,柿木分類,義歯清掃状況の2項目で有意差を認めた。新義歯装着前からの口腔保清の重要性が示唆された。