一般社団法人日本老年歯科医学会 第29回学術大会

講演情報

一般演題ポスター

介護・介護予防

介護・介護予防

2018年6月22日(金) 09:50 〜 16:50 ポスター会場 (7F イベントホール)

[P一般-003] 当院の歯科訪問診療を施行した摂食嚥下障害症例の概要

○砂川 裕亮1、斎藤 徹1、牧野 秀樹1、高橋 耕一1、辻 将1、稲用 昌之1、栂安 秀樹1 (1. 医療法人社団秀和会つがやす歯科医院)

【緒言】
 当院は十勝・帯広市に位置し,十勝管内の医療・介護機関と連携して摂食嚥下障害者に対応している。本発表では,当院の訪問診療における摂食嚥下障害症例の概要について報告する。
【摂食嚥下障害者の概要】
 2006年11月~2017年12月の間に当院が歯科訪問診療を施行した症例は4,740例であり,摂食嚥下障害症例は892例(18.8%)を占めていた。年次別の摂食嚥下障害の新患症例数は,2006~2010年:15例,2011年:52例,2012年:82例,2013年:107例,2014年:137例,2015年:144例,2016年:183例,2017年:172例と,近年,訪問診療で介入した摂食嚥下障害症例が増加している。訪問診療を施行した摂食嚥下障害症例の平均年齢は81.9歳(男性:366例、女性:526例)であり,65歳以上の高齢者は821例(92.0%)であった。年代別には,80歳代が367例(41.1%)と,多数を占めていた。主たる基礎疾患は,認知症(536例,60.1%)と脳血管障害(341例,38.2%)が多数を占めていた(疾患の重複症例あり)。また,訪問先の施設の症例数は,特養:592例(59.3%)と老健:95例(10.7%)が多数を占めており,居宅症例は78例(8.9%)であった。
【結語】
 近年,当院では摂食嚥下障害症例が増加している。当院が介入している摂食嚥下障害者は施設入院・入所者が多数を占めているため,歯科医療従事者のみならず関連多職種の連携強化を図っていくことが重要である。