[P一般-104] 退院直後の歯科衛生士による指導の重要性について
【緒言】
繰り返し起こる誤嚥性肺炎は,患者のADLを低下させ,生命予後を不良とする。我々歯科衛生士は,口腔ケアの立場からこれに介入する事が多い。今回私たちは,訪問先としての病院と住宅型有料老人ホームの両方で,シームレスな管理を行った1例について報告する。
【症例】
88歳男性。右肺炎にて入院中。脳梗塞後遺症。水分でむせが認められるとの事で,NSTへ歯科衛生士として参加。その後,訪問診療。口腔の保清と食事介助について指導した。退院時カンファレンスに参加し,注意点を伝言した。退院3週間後,『食事に時間がかかり,飲み込まず出してしまう』と施設職員の求めにより訪問。ADLは著しく低下し,ほぼベット上での生活,意識レベルも2桁で傾眠傾向。緊急搬送で再入院となった。VF結果から,食形態をミキサー食へ変更。また,前回の入院と同じ注意点に加えて摂食時の頸部前屈,喉頭挙上訓練と全身的な筋力の向上をお願いした。約1週間で肺炎症状は消失。食事も全量摂取できるようになり退院した。退院後は,他施設に入所する事となり,再度,退院時カンファレンスが行われた。前回の伝言のみでは実行されないという反省を踏まえて,退院翌日に,体温表(喫食量を含む)などの記録方法をNSと打ち合わせ,次に食事介助方法。お口の体操,義歯及び口腔内の保清方法を介護者へ直接指導した。また,指導の評価と喉頭挙上訓練を歯科衛生士が週に1回,2ヵ月間継続した。現在まで,発熱は見られず体重はわずかに増加し,意識レベルが1桁となっている。
【考察】
肺炎を繰り返すケースで,退院時カンファレンスでの文書による指導のみでは,介護現場での実践は難しく,直接指導が必要であることを再認識した。
繰り返し起こる誤嚥性肺炎は,患者のADLを低下させ,生命予後を不良とする。我々歯科衛生士は,口腔ケアの立場からこれに介入する事が多い。今回私たちは,訪問先としての病院と住宅型有料老人ホームの両方で,シームレスな管理を行った1例について報告する。
【症例】
88歳男性。右肺炎にて入院中。脳梗塞後遺症。水分でむせが認められるとの事で,NSTへ歯科衛生士として参加。その後,訪問診療。口腔の保清と食事介助について指導した。退院時カンファレンスに参加し,注意点を伝言した。退院3週間後,『食事に時間がかかり,飲み込まず出してしまう』と施設職員の求めにより訪問。ADLは著しく低下し,ほぼベット上での生活,意識レベルも2桁で傾眠傾向。緊急搬送で再入院となった。VF結果から,食形態をミキサー食へ変更。また,前回の入院と同じ注意点に加えて摂食時の頸部前屈,喉頭挙上訓練と全身的な筋力の向上をお願いした。約1週間で肺炎症状は消失。食事も全量摂取できるようになり退院した。退院後は,他施設に入所する事となり,再度,退院時カンファレンスが行われた。前回の伝言のみでは実行されないという反省を踏まえて,退院翌日に,体温表(喫食量を含む)などの記録方法をNSと打ち合わせ,次に食事介助方法。お口の体操,義歯及び口腔内の保清方法を介護者へ直接指導した。また,指導の評価と喉頭挙上訓練を歯科衛生士が週に1回,2ヵ月間継続した。現在まで,発熱は見られず体重はわずかに増加し,意識レベルが1桁となっている。
【考察】
肺炎を繰り返すケースで,退院時カンファレンスでの文書による指導のみでは,介護現場での実践は難しく,直接指導が必要であることを再認識した。