[P一般-108] 延命処置を望まれない誤嚥性肺炎患者に対し嚥下機能評価及び義歯作成を行い全量経口摂取可能となった1症例
【目的】
誤嚥性肺炎により禁食を指示されるケースは多いがその後のモニタリングが十分に行われない例も散見される。嚥下機能評価を行う重要性を再認識した1例を経験したので報告する。
【症例及び処置】
84歳女性,平成27年8月に誤嚥性肺炎により入院。10日後に脳梗塞を発症し禁食の指示を受けた症例。アルツハイマー型認知症,脳梗塞,繰り返し誤嚥性肺炎の既往あり。入院後は末梢静脈栄養のみで,家族は延命処置を望んでいない。10月に入院先の病棟にて初回訪問。入院前は体重43kgだったが35kgに低下。上下無歯顎で義歯は紛失。寝たきりの状態で頚部の後屈及び固縮を認めた。外部評価にて口腔機能は良好。RSST2回,嗄声無し。ギャッチアップにて実施した初回VEでは水分の誤嚥を認めたために中程度のトロミ付けを指示。スライスゼリーは喉頭蓋谷及び梨状窩に多少の残留を認めたが誤嚥なし。複数回嚥下にてクリア。一口量,覚醒状態,姿勢に注意し嚥下後の発声を家族に指示。エンゲリード1日1個から開始し発熱を認めなかったため,一週間後からペースト食開始。並行して上下総義歯を作製。11月末の完成時には経口で水分600ml/日、800kcal/日を摂取。12月に座位にてVEを実施,再評価しソフト食へ形態を上げた後,点滴が外れ3食全量経口摂取となった。
【結果と考察】
長期のPPNによりルートの確保が困難となった12月には箸で食事が可能となった。現在は遠方の老人施設に入居しているが,家族よりソフト食にて元気に過ごしていると聞き取り。家族が延命処置を希望しなかった為,適切な嚥下評価が行われなければ程なく看取りになっていたケース。禁食指示後も適切な評価を実施することが重要である。
誤嚥性肺炎により禁食を指示されるケースは多いがその後のモニタリングが十分に行われない例も散見される。嚥下機能評価を行う重要性を再認識した1例を経験したので報告する。
【症例及び処置】
84歳女性,平成27年8月に誤嚥性肺炎により入院。10日後に脳梗塞を発症し禁食の指示を受けた症例。アルツハイマー型認知症,脳梗塞,繰り返し誤嚥性肺炎の既往あり。入院後は末梢静脈栄養のみで,家族は延命処置を望んでいない。10月に入院先の病棟にて初回訪問。入院前は体重43kgだったが35kgに低下。上下無歯顎で義歯は紛失。寝たきりの状態で頚部の後屈及び固縮を認めた。外部評価にて口腔機能は良好。RSST2回,嗄声無し。ギャッチアップにて実施した初回VEでは水分の誤嚥を認めたために中程度のトロミ付けを指示。スライスゼリーは喉頭蓋谷及び梨状窩に多少の残留を認めたが誤嚥なし。複数回嚥下にてクリア。一口量,覚醒状態,姿勢に注意し嚥下後の発声を家族に指示。エンゲリード1日1個から開始し発熱を認めなかったため,一週間後からペースト食開始。並行して上下総義歯を作製。11月末の完成時には経口で水分600ml/日、800kcal/日を摂取。12月に座位にてVEを実施,再評価しソフト食へ形態を上げた後,点滴が外れ3食全量経口摂取となった。
【結果と考察】
長期のPPNによりルートの確保が困難となった12月には箸で食事が可能となった。現在は遠方の老人施設に入居しているが,家族よりソフト食にて元気に過ごしていると聞き取り。家族が延命処置を希望しなかった為,適切な嚥下評価が行われなければ程なく看取りになっていたケース。禁食指示後も適切な評価を実施することが重要である。