[P一般-117] 問診中のモニタリングにより発作性上室性頻拍を同定,管理した症例
【目的】
超高齢社会を迎えた日本で,有病高齢者の歯科治療を安全に行うことは重要である。当外来では65歳以上の有病高齢者の治療に際し,問診中にもモニタリングを行いながら病態の把握に努めている。今回,モニタリング下で既往歴にない発作性上室性頻拍が認められた一症例を報告する。
【症例および経過】
症例:85歳,女性。既往歴:左右頸部動脈瘤,肺炎,リウマチ,盲腸,子宮筋腫,胃癌。経過:入れ歯が合わないとの主訴で当科外来受診した。モニタリング下での問診時の血圧が168/99mmHg心拍数87bpmと高く,時間の経過とともに心拍数が最高160bpmまで上昇した。心電図モニターにより発作性上室頻拍が疑われた。患者に不快症状,血圧低下が認められなかったため,心拍数が低下するまでモニタリング管理を行い安静にしていたところ,約20分後に心拍数が82bpmまで低下した。担当内科医へ精査を依頼した結果,緊張による発作性上室性頻拍であり歯科治療の発作時にはワソラン内服を指示された。
【結果と考察】
本症例では問診時に既往歴により把握できなかった発作性上室性頻拍が認められた。これらの兆候に気付かず歯科治療を継続し過度のストレスを与えると,失神,めまい,さらに本症例では頸部動脈瘤の破裂を引き起こす可能性がある。有病高齢者の歯科診療は,全身的既往歴の把握に加え,バイタルサインを確認し,ストレスにより変化する全身状態を考慮しながら治療を行う必要がある。そのため,基礎疾患を十分に把握し担当内科医との密な連携が必要である。また,歯科で全身疾患の兆候を見つけ次第,精査することが必要となってくる。
超高齢社会を迎えた日本で,有病高齢者の歯科治療を安全に行うことは重要である。当外来では65歳以上の有病高齢者の治療に際し,問診中にもモニタリングを行いながら病態の把握に努めている。今回,モニタリング下で既往歴にない発作性上室性頻拍が認められた一症例を報告する。
【症例および経過】
症例:85歳,女性。既往歴:左右頸部動脈瘤,肺炎,リウマチ,盲腸,子宮筋腫,胃癌。経過:入れ歯が合わないとの主訴で当科外来受診した。モニタリング下での問診時の血圧が168/99mmHg心拍数87bpmと高く,時間の経過とともに心拍数が最高160bpmまで上昇した。心電図モニターにより発作性上室頻拍が疑われた。患者に不快症状,血圧低下が認められなかったため,心拍数が低下するまでモニタリング管理を行い安静にしていたところ,約20分後に心拍数が82bpmまで低下した。担当内科医へ精査を依頼した結果,緊張による発作性上室性頻拍であり歯科治療の発作時にはワソラン内服を指示された。
【結果と考察】
本症例では問診時に既往歴により把握できなかった発作性上室性頻拍が認められた。これらの兆候に気付かず歯科治療を継続し過度のストレスを与えると,失神,めまい,さらに本症例では頸部動脈瘤の破裂を引き起こす可能性がある。有病高齢者の歯科診療は,全身的既往歴の把握に加え,バイタルサインを確認し,ストレスにより変化する全身状態を考慮しながら治療を行う必要がある。そのため,基礎疾患を十分に把握し担当内科医との密な連携が必要である。また,歯科で全身疾患の兆候を見つけ次第,精査することが必要となってくる。