[P一般-121] 要介護高齢者の摂食嚥下機能と「ビタミンサポートゼリー」の適応について
【目的】
摂食嚥下機能が低下した高齢者では,食事介助の際に誤嚥や窒息のリスクを憂慮し,タンパク含有が少なく嚥下しやすいゼリー食品を提供されることが多い。一方,食品の物性のみならず,栄養量についても考慮する必要があるため,栄養補助食品として各種ビタミンやミネラル,食物繊維,オリゴ糖,乳酸菌を豊富に含み,かつ嚥下訓練食品コード0jに相当する「ビタミンサポートゼリー」は低栄養改善にも期待できる。そこで,今回われわれは特別養護老人ホーム入所者において試験食品として「ビタミンサポートゼリー」を用い,要介護高齢者の摂食嚥下機能とその提供適応の目安について検討した。
【対象および方法】
対象は,特別養護老人ホーム(あっとほーむ若葉)に入所している49名。男:女13:36,平均年齢:85.3±8.1歳。原疾患は廃用症候群:29名,脳梗塞:17名,パーキンソン病:2名,脳出血:1名。要介護度は,要介護2:1名,要介護3:6名,要介護4:30名,要介護5:12名。HDS-Rは,20未満が44名,20以上が5名。対象者が「ビタミンサポートゼリー」を経口摂取した後の口腔内残留と咽頭咳嗽音の有無を記録し,臼歯部咬合支持,最大舌圧,誤嚥性肺炎の既往との関連について検討した。
【結果と考察】
臼歯部咬合支持がない症例ではゼリー摂食後に口腔内残留や咽頭咳嗽音が多くみられた。また,最大舌圧12.7kPa未満の症例では咽頭咳嗽音,4.4kPa未満の症例では口腔内残留を起こしやすい傾向であった。これより,臼歯部咬合支持と最大舌圧がゼリー提供適応の目安になると考えられた。一方,誤嚥性肺炎の既往および原疾患は,ゼリー提供適応に影響しないと考えられた。
摂食嚥下機能が低下した高齢者では,食事介助の際に誤嚥や窒息のリスクを憂慮し,タンパク含有が少なく嚥下しやすいゼリー食品を提供されることが多い。一方,食品の物性のみならず,栄養量についても考慮する必要があるため,栄養補助食品として各種ビタミンやミネラル,食物繊維,オリゴ糖,乳酸菌を豊富に含み,かつ嚥下訓練食品コード0jに相当する「ビタミンサポートゼリー」は低栄養改善にも期待できる。そこで,今回われわれは特別養護老人ホーム入所者において試験食品として「ビタミンサポートゼリー」を用い,要介護高齢者の摂食嚥下機能とその提供適応の目安について検討した。
【対象および方法】
対象は,特別養護老人ホーム(あっとほーむ若葉)に入所している49名。男:女13:36,平均年齢:85.3±8.1歳。原疾患は廃用症候群:29名,脳梗塞:17名,パーキンソン病:2名,脳出血:1名。要介護度は,要介護2:1名,要介護3:6名,要介護4:30名,要介護5:12名。HDS-Rは,20未満が44名,20以上が5名。対象者が「ビタミンサポートゼリー」を経口摂取した後の口腔内残留と咽頭咳嗽音の有無を記録し,臼歯部咬合支持,最大舌圧,誤嚥性肺炎の既往との関連について検討した。
【結果と考察】
臼歯部咬合支持がない症例ではゼリー摂食後に口腔内残留や咽頭咳嗽音が多くみられた。また,最大舌圧12.7kPa未満の症例では咽頭咳嗽音,4.4kPa未満の症例では口腔内残留を起こしやすい傾向であった。これより,臼歯部咬合支持と最大舌圧がゼリー提供適応の目安になると考えられた。一方,誤嚥性肺炎の既往および原疾患は,ゼリー提供適応に影響しないと考えられた。