[P一般-018] 歯科診療所における口腔機能低下症に対する取り組み
―第2報:中鎖脂肪酸油が有効であった1症例について―
【目的】
超高齢社会を迎える本邦において,摂食嚥下障害への対応は急務である。特に加齢に起因した口腔機能の低下は,フレイルの予測因子になるため,予防的な介入が必要となる。今回,当歯科診療所にて摂食嚥下機能低下を予防的に介入する「のみこみ外来」を開設したので,その症例を報告する。
【症例および経過】
72歳,女性,既往歴や服薬歴はなし。1年ほど前から舌の痛みがあり,複数の大学病院において診察を受けていた。しかし,特に異常を指摘されず,食事の摂取困難となり,体重減少を認めた。
2017年9月初診時,身長149.0cm,体重40.2kg,BMI17.9kg/m2 。舌の筋力や巧緻性の低下,口腔乾燥が著明であり,舌の全体に痛みを訴えていた。保湿剤は刺激が強いとの訴えがあったため中鎖脂肪酸油(MCTオイル)を,舌を含めた口腔粘膜全体に塗布することで保湿を促した。さらに唾液腺マッサージ,管理栄養士による栄養指導を行った。2017年11月,2018年1月再診時,本人より痛みに対する自覚症状が減ったとの訴えがあり,栄養状態,口腔機能,口腔乾燥についても改善が見られた。
【結果と考察】
高齢者の低栄養の改善に有効なMCTオイルは,ベタつきが少なく,無味無臭のため口腔内の保湿剤としても使用できると考えられる。また,管理栄養士による栄養相談および指導や多職種によるフォローアップは,口腔機能低下を有する高齢者に対して有効であり,全身状態の維持向上に繋がると考えられる。
超高齢社会を迎える本邦において,摂食嚥下障害への対応は急務である。特に加齢に起因した口腔機能の低下は,フレイルの予測因子になるため,予防的な介入が必要となる。今回,当歯科診療所にて摂食嚥下機能低下を予防的に介入する「のみこみ外来」を開設したので,その症例を報告する。
【症例および経過】
72歳,女性,既往歴や服薬歴はなし。1年ほど前から舌の痛みがあり,複数の大学病院において診察を受けていた。しかし,特に異常を指摘されず,食事の摂取困難となり,体重減少を認めた。
2017年9月初診時,身長149.0cm,体重40.2kg,BMI17.9kg/m2 。舌の筋力や巧緻性の低下,口腔乾燥が著明であり,舌の全体に痛みを訴えていた。保湿剤は刺激が強いとの訴えがあったため中鎖脂肪酸油(MCTオイル)を,舌を含めた口腔粘膜全体に塗布することで保湿を促した。さらに唾液腺マッサージ,管理栄養士による栄養指導を行った。2017年11月,2018年1月再診時,本人より痛みに対する自覚症状が減ったとの訴えがあり,栄養状態,口腔機能,口腔乾燥についても改善が見られた。
【結果と考察】
高齢者の低栄養の改善に有効なMCTオイルは,ベタつきが少なく,無味無臭のため口腔内の保湿剤としても使用できると考えられる。また,管理栄養士による栄養相談および指導や多職種によるフォローアップは,口腔機能低下を有する高齢者に対して有効であり,全身状態の維持向上に繋がると考えられる。