一般社団法人日本老年歯科医学会 第29回学術大会

講演情報

一般演題ポスター

口腔機能

口腔機能

2018年6月22日(金) 09:50 〜 16:50 ポスター会場 (7F イベントホール)

[P一般-021] 特別養護老人ホームにおける経口摂取支援についての検討

○赤沼 正康1、松原 光代2、松原 秀樹1、村松 真澄3、越智 守生4 (1. 医療法人社団豊生会東苗穂にじいろ歯科クリニック、2. 医療法人社団豊生会東苗穂病院歯科、3. 札幌市立大学看護学部、4. 北海道医療大学歯学部口腔機能修復・再建学系クラウンブリッジ・インプラント補綴学分野)

【目的】
 特別養護老人ホームにおいては,認知機能や摂食・嚥下機能の低下により食事の経口摂取が困難となることが多くある。自分の口から食べる楽しみを得られるよう多職種による支援の必要性が増加している。そこで本研究では,特別養護老人ホームにおいて多職種による経口摂取支援を行うことで入居者の口腔機能および摂食状況がどのように変化するか比較・検討する。
【方法】
 特別養護老人ホームの入居者80名のうち施設より依頼された16名(男性3名,女性13名,平均年齢86.4歳)を対象とした。要介護度3が4名,要介護度4が3名,要介護度5が9名であった。平成29年2月9日~8月3日の期間でミールラウンドおよびカンファレンスを実施した。ミールラウンドおよびカンファレンスには歯科医師,歯科衛生士,看護師,言語聴覚士,作業療法士,管理栄養士,介護支援専門員,介護士が参加し,経口維持管理を行った介入前と介入6ヵ月後の食事形態,食事姿勢,食事時間,歯科治療の有無,体重変化について比較・検討を行った。
本研究は倫理審査会の承認を得て実施した。
【結果】
 介入後の食事形態の変更は食形態ダウンが5名,現状維持が11名であった。また食事姿勢の変更が3名,食事時間が短縮した者が1名,歯科治療4名(義歯調整3名,抜歯1名),体重増加8名,減少5名であった。
【考察】
 多職種による経口摂取支援を行うことで食事時間の短縮や体重を増加することができたことから,現状の口腔機能にあった食事形態および食事姿勢を提供することができ,栄養状態の維持・管理を行えたものと考えられる。また歯科の参加により,治療や口腔ケア,口腔体操を行うことができ口腔機能の維持・改善することができたと考える。