[P一般-038] 当院における歯科衛生士の取り組み
―第1報 定期的口腔衛生管理の際に摂食嚥下障害が疑われた1例―
【目的】
自覚症状のない摂食嚥下障害をみつける目を持つことが歯科診療所の一つの役割と考える。今回,自立歩行にて定期的口腔衛生管理目的に通院している高齢者の診療時のむせより摂食嚥下障害を疑い精査目的に2次医療機関を紹介した結果,摂食機能障害を認め多職種連携による摂食機能療法を行った1例を経験したので報告する。
【症例及び経過】
84歳男性。既往歴:心房粗動,狭心症,高血圧。自立歩行にて通院。口腔内は上下局部床義歯使用であり歯周治療を主として口腔管理を行っていた。
診療時の除石中にむせを生じる機会が頻回となり,摂食嚥下機能についてのアンケートを行った。『お茶などの水分でむせる』『食後に痰が出たり絡む』等の項目にチェックが入り2次医療機関を紹介し,歯科医師,歯科衛生士,言語聴覚士,管理栄養士と共に嚥下内視鏡検査を含めた摂食嚥下機能評価を実施した。
【結果】
口腔期までは問題ないが咽頭期の障害を認めた。鼻咽腔閉鎖不全と咽頭収縮力の低下,また喉頭の下垂があり嚥下後には咽頭残留と一部喉頭侵入を認めた。また咽頭後壁が張り出しており「骨棘」が疑われ医科受診を勧めた。BMIは17.4kg /㎡。管理栄養士より現状の機能に適した食形態や調理について指導を行い,言語聴覚士と共に窒息や誤嚥を回避し,安全な経口維持・継続を目標に嚥下の意識化や嚥下おでこ体操などを指導した。
【考察及びまとめ】
今回,多職種による摂食嚥下機能評価と摂食機能療法が実施されたことで,むせは減少し良い経過を経ている。歯科は口腔内に注水する数少ない職種でもある。歯科診療所が窒息や誤嚥のリスクを減少するという使命を理解して一般診療の際にもそのような目を持つことは重要であると考える。
自覚症状のない摂食嚥下障害をみつける目を持つことが歯科診療所の一つの役割と考える。今回,自立歩行にて定期的口腔衛生管理目的に通院している高齢者の診療時のむせより摂食嚥下障害を疑い精査目的に2次医療機関を紹介した結果,摂食機能障害を認め多職種連携による摂食機能療法を行った1例を経験したので報告する。
【症例及び経過】
84歳男性。既往歴:心房粗動,狭心症,高血圧。自立歩行にて通院。口腔内は上下局部床義歯使用であり歯周治療を主として口腔管理を行っていた。
診療時の除石中にむせを生じる機会が頻回となり,摂食嚥下機能についてのアンケートを行った。『お茶などの水分でむせる』『食後に痰が出たり絡む』等の項目にチェックが入り2次医療機関を紹介し,歯科医師,歯科衛生士,言語聴覚士,管理栄養士と共に嚥下内視鏡検査を含めた摂食嚥下機能評価を実施した。
【結果】
口腔期までは問題ないが咽頭期の障害を認めた。鼻咽腔閉鎖不全と咽頭収縮力の低下,また喉頭の下垂があり嚥下後には咽頭残留と一部喉頭侵入を認めた。また咽頭後壁が張り出しており「骨棘」が疑われ医科受診を勧めた。BMIは17.4kg /㎡。管理栄養士より現状の機能に適した食形態や調理について指導を行い,言語聴覚士と共に窒息や誤嚥を回避し,安全な経口維持・継続を目標に嚥下の意識化や嚥下おでこ体操などを指導した。
【考察及びまとめ】
今回,多職種による摂食嚥下機能評価と摂食機能療法が実施されたことで,むせは減少し良い経過を経ている。歯科は口腔内に注水する数少ない職種でもある。歯科診療所が窒息や誤嚥のリスクを減少するという使命を理解して一般診療の際にもそのような目を持つことは重要であると考える。