[P一般-040] 当会高齢者専門外来における歯科衛生士の取り組み
―第1報 経口摂取不可と診断された患者への取り組み―
【目的】
誤嚥性肺炎を契機に嚥下機能低下という評価により食事摂取困難と診断され,当会に相談される方が増えてきた。今回,歯科衛生士による訪問診療により問題提起され,高齢者専門外来での治療を経て,摂食嚥下リハビリテーション外来での評価と摂食機能療法を実施し,食形態の向上に至った症例を経験したので報告する。
【症例及び経過】
90歳男性。要介護5。既往歴:アルツハイマー型認知症。2016年6月に誤嚥性肺炎にて入院し7月に退院となった。歯科衛生士による訪問時に『食形態の相談をしたい』と家族より相談を受けた。口腔は清掃不良。残根多数。義歯は不使用であった。そのため高齢者専門外来に紹介し,専門的口腔衛生管理のもと新義歯が装着された。ご家族は入院中の指示通りに,とろみ・ペースト食を提供していたが,ご本人は『形のあるものが食べたい』との希望があったため,摂食嚥下リハビリテーション外来にて評価を行った。
【結果】
摂食機能評価では先行期から口腔期まで概ね良好であった。咽頭期では嚥下反射の軽度遅延と,嚥下後の咽頭残留を喉頭蓋谷で少量認めた。喉頭侵入や誤嚥は認めず喀出力も確認できた。よってバナナ程度の押しつぶしのできる,食塊形成が容易なものは経口摂取が可能であると考え,主治医や関連職種と連携のもと段階的摂食訓練を実施した。2017年1月より3ヵ月の介入により,現在容易に咬める硬さの区分1にアップし食事が継続できている。
【まとめ】
今回,口腔衛生管理を担う歯科衛生士が摂食に関しての問題を吸い上げ,診療科間の連携をマネジメントすることで食形態の向上に至ることができた。今後も高齢者のQOL向上のため『食の確保に向けた』取り組みを継続していく所存である。
誤嚥性肺炎を契機に嚥下機能低下という評価により食事摂取困難と診断され,当会に相談される方が増えてきた。今回,歯科衛生士による訪問診療により問題提起され,高齢者専門外来での治療を経て,摂食嚥下リハビリテーション外来での評価と摂食機能療法を実施し,食形態の向上に至った症例を経験したので報告する。
【症例及び経過】
90歳男性。要介護5。既往歴:アルツハイマー型認知症。2016年6月に誤嚥性肺炎にて入院し7月に退院となった。歯科衛生士による訪問時に『食形態の相談をしたい』と家族より相談を受けた。口腔は清掃不良。残根多数。義歯は不使用であった。そのため高齢者専門外来に紹介し,専門的口腔衛生管理のもと新義歯が装着された。ご家族は入院中の指示通りに,とろみ・ペースト食を提供していたが,ご本人は『形のあるものが食べたい』との希望があったため,摂食嚥下リハビリテーション外来にて評価を行った。
【結果】
摂食機能評価では先行期から口腔期まで概ね良好であった。咽頭期では嚥下反射の軽度遅延と,嚥下後の咽頭残留を喉頭蓋谷で少量認めた。喉頭侵入や誤嚥は認めず喀出力も確認できた。よってバナナ程度の押しつぶしのできる,食塊形成が容易なものは経口摂取が可能であると考え,主治医や関連職種と連携のもと段階的摂食訓練を実施した。2017年1月より3ヵ月の介入により,現在容易に咬める硬さの区分1にアップし食事が継続できている。
【まとめ】
今回,口腔衛生管理を担う歯科衛生士が摂食に関しての問題を吸い上げ,診療科間の連携をマネジメントすることで食形態の向上に至ることができた。今後も高齢者のQOL向上のため『食の確保に向けた』取り組みを継続していく所存である。