The 29th Congress of the Japanese Society of Gerodontology

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一般演題ポスター

加齢変化・基礎研究

加齢変化・基礎研究

Fri. Jun 22, 2018 9:50 AM - 4:50 PM ポスター会場 (7F イベントホール)

[P一般-070] Aβ誘発性神経細胞死に対する抑制物質の探索

○田村 暢章1、坂上 宏2、岩間 聡一1、中川 美香1、鈴木 隼人1、田中 健大1、阿部 智之1、竹島 浩1 (1. 明海大学歯学部病態診断治療学講座高齢者歯科学分野、2. 明海大学歯科医学総合研究所(M-RIO))

【緒言】
 認知症は健康寿命の延伸を脅かす疾患であり,Alzheimer病はAβ(Amyloid-β)の産生・蓄積が関与していることが報告されている。今回,Aβ誘発性神経細胞死の定量化の系を確立と抑制物質の探索を行った。
【方法】
 PC12(副腎褐色細胞腫),SH-SY5Y(神経芽細胞腫)は,10%FBS添加DMEMで培養し生細胞数をMTT法で測定し,Aβに対する神経細胞保護効果(SI)は,50%傷害濃度と50%抑制濃度の比で求めた(CC50/EC50)。Aβの繊維凝集体形成はThioflavinによる蛍光法で測定した。PC12を50 ng/ml NGF,1%FBS添加DMEMで5~7日間培養し成熟神経細胞に分化誘導した。
【結果】
 ①PC12,SH-SY5Yいずれも幅広い細胞密度範囲で付着・増殖が良好であった。基本培地へのHam's F-12とnon-essential amino acids添加は増殖とアミノ酸消費量を有意に低下させた。②未分化PC12に対しクマ笹葉アルカリ抽出液(SE)はAβ誘発性神経細胞傷害を強く抑制したが,curcuminとresveratrolは無効であった。分化PC12に対してもSEはAβ誘発性神経細胞傷害を抑制した。SEは低濃度で増殖促進効果を示し,高濃度でAβの繊維凝集体形成を抑制した。
【考察】
 神経細胞死はROSが関与するため,抗酸化剤は分化成熟した神経細胞に対し保護効果を示す可能性がある。分化培地では,低密度で播種された細胞の増殖が著しく低下したため,分化誘導にNGF以外の因子が必要の可能性が示唆された。
(COI開示:坂上 宏は,株式会社大和生物研究所と受託研究の一部として本研究を行った)