The 29th Congress of the Japanese Society of Gerodontology

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一般演題ポスター

教育

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Fri. Jun 22, 2018 9:50 AM - 4:50 PM ポスター会場 (7F イベントホール)

[P一般-092] 歯学部1年次生及び学士入学生を対象とした終末期医療に関する教育が学生のターミナルケア態度に与えた影響

○園井 教裕1 (1. 岡山大学歯学部歯学教育・国際交流推進センター)

【目的】
 本学歯学部は2015年度に終末期医療に関する講義を1年次生に導入した。2017年は講義内容の見直しに加え,学生が患者役等の役を決めた上での終末期患者に関するロールプレイを導入した。本研究は,これらが学生のターミナルケア態度に及ぼした影響をみることで,教育的効果を明らかにすることを目的とした.
【方法】
 本講義を受講した本学歯学部1年次生(47人)と学士入学生(5人)の計52人(男:18人,女:34人),年齢中央値20(18~37)歳を対象とした。講義とロールプレイは入学7〜9ヵ月に行った。終末期医療への態度意識はターミナルケア態度測定尺度であるFrommelt Attitude Toward Care Of Dying Scale Form B-Jの短縮版(6項目)を用い,5段階評定で回答を得た。本調査は講義前後とロールプレイ後に行った。統計解析はWilcoxon signed-rank testを用いた。
【結果と考察】
 講義前後の有効回答率は98%で,回答者はロールプレイ後も全員回答した。講義前に比べ,講義後に上昇した項目は,Ⅰ)死にゆく患者へのケアの前向きさ,Ⅱ)患者・家族を中心とするケアの認識で,各2項目ずつであった。ロールプレイ後は,前者が1項目,後者が3項目であった。講義後とロールプレイ後で有意差はなかった。上昇した項目の差は,講義は終末期患者に対する歯科医師の対応に,ロールプレイは終末期患者及び患者家族の訴えに,焦点が当たったためと考えられる。終末期医療に対する講義とロールプレイは,学生のターミナルケア態度を上昇させ,終末期患者に歯科医師側と患者家族側の双方からサポートを考えようという教育的効果が生じることを示唆した。