一般社団法人日本老年歯科医学会 第29回学術大会

講演情報

シンポジウム

特別講演

学術・在宅歯科診療検討合同シンポジウム
在宅(訪問)歯科診療を科学する

2018年6月22日(金) 09:40 〜 11:10 第1会場 (8F 大ホール)

座長:水口 俊介(東京医科歯科大学大学院高齢者歯科学分野)、菅 武雄(鶴見大学歯学部高齢者歯科学講座)

[S1-3] ビギナーのための“歯科訪問診療”事始め
―生活を支える医療となるために―

○猪原 健1 (1. 猪原歯科・リハビリテーション科)

【略歴】
2005年 東京医科歯科大学歯学部卒業
2009年 同大学院医歯学総合研究科顎顔面補綴学分野修了,博士(歯学)
2010年 日本大学歯学部摂食機能療法学講座非常勤医員
2010年~2011年 アルバータ大学リハビリテーション学部言語聴覚療法学科 Visiting Professorとして留学
2012年 猪原歯科医院(現 猪原歯科・リハビリテーション科)副院長(現職)
2013年~2015年 広島県歯科医師会介護・福祉医療部委員
2015年 脳神経センター大田記念病院非常勤歯科医
介護支援専門員
日本摂食嚥下リハビリテーション学会認定士
日本顎顔面補綴学会評議員
日本補綴歯科学会・日本摂食嚥下リハビリテーション学会・日本静脈経腸栄養学会会員
 歯科訪問診療を行う際の最大のネックはなんだろうか。やる気もある,高齢者診療の技術もある,しかし外来が忙しくて訪問する時間を確保できず,訪問依頼もほとんどない…。このような先生方もきっと多いのではないだろうか。
 在宅歯科医療の基本的考え方 2016(日本老年歯科医学会)には,「在宅歯科医療は外来診療の持ち込みではなく,構築するものである」とある。また訪問診療は「長期的な医療計画のもとに実施される,外来診療とは異なる診療」とされている。つまり,在宅への歯科訪問診療では,われわれの外来診療の考え方を大きく変える必要があり,それができないと大きな困難に直面することになる。もちろん患者にとっては,かかりつけ歯科医による診療が外来から訪問にスムーズに移行することが最も望ましく,この二律背反とも言うべき状況こそ,歯科訪問診療の普及における大きな課題と考える。本講演では,これらの解決のヒントを探っていきたい。