The 29th Congress of the Japanese Society of Gerodontology

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シンポジウム

特別講演

学術シンポジウム
口腔機能低下症のアウトカムと評価基準の再評価

Sat. Jun 23, 2018 2:10 PM - 4:00 PM 第1会場 (8F 大ホール)

座長:水口 俊介(東京医科歯科大学大学院高齢者歯科学分野)

[S6-1] オーラルフレイル
―我々医療者は国民に何を伝えるべきなのか―

○飯島 勝矢1 (1. 東京大学高齢社会総合研究機構)

【略歴】
東京大学大学院加齢医学講座講師,米国スタンフォード大学研究員を経て,現在,東京大学高齢社会総合研究機構教授。内閣府「一億総活躍国民会議」有識者民間議員。専門は老年医学,総合老年学(ジェロントロジー)。専門研究分野として,フレイル予防の高齢者大規模コホート研究および包括的フレイル予防プログラム構築。なかでも新概念「オーラルフレイル」を構築。課題解決型実証研究(アクションリサーチ)を基盤とした長寿社会に向けたまちづくり・地域包括ケアシステム構築,在宅医療推進。
近著:「老いることの意味を問い直す〜フレイルに立ち向かう〜」「東大が調べてわかった衰えない人の生活習慣」「オーラルフレイルQ&A―口からはじまる健康長寿―」
フレイル予防を軸とした大規模高齢者コホート研究から,早期から軽微な口腔機能低下や食の偏りも認め,総死亡や要介護リスクも上昇させていた。それを改めて新概念『オーラルフレイル』として打ち立て,国民の食力を維持向上させるために,今まで以上に「総合的な機能論」で進めていくことが求められる。同時に,社会的フレイルも含めた多面的なフレイルへの一連のアプローチ施策をどう展開できるのかが大きな鍵になる。また,高齢期において従来のメタボ概念から上手く切り替えさせ,「栄養(食と口腔)・社会参加・身体活動」という3つの柱(三位一体)の考え方を顕著なフレイルになる前から意識変容を促す活動を推し進めている。そこには,専門職に加え,自治体行政内の横連携,そしてコミュニティの生活の場における早期からの新たなフレイル予防活動も必要不可欠である。すなわち、フレイル予防はまさに『総合知によるまちづくり』そのものである。