The 31st Congress of the Japanese Society of Gerodontology

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認定医審査ポスター

ライブ

認定医審査ポスターG4

Sat. Nov 7, 2020 3:10 PM - 5:10 PM C会場

[認定P-20] 骨髄異形成症候群患者における骨髄移植の口腔内管理

○金子 聖子1 (1. 東京医科歯科大学高齢者歯科学分野)

[目的]
骨髄移植は易感染性となるため、移植後の感染予防として感染源となり得る部位を除去し、口腔内の感染コントロールを行うことは重要である。今回、骨髄異形成症候群のため骨髄移植を施行する患者の感染源となり得る歯牙の抜歯を行い、継続的に口腔環境のコントロールを行った1症例を報告する。
[症例の概要と処置]
67歳,女性。骨髄異形成症候群,糖尿病,腰椎狭窄の既往あり。2016年に糖尿病で貧血を指摘され,その後進行がみられたことから骨髄異形成症候群と診断された。2019年3月に移植予定で本学医学部へ入院し,移植前に感染源の評価で感染源となり得る部位の処置依頼があった。口腔内診査,パノラマレントゲン写真より慢性根尖性歯周炎の部位が認められ16本の抜歯が必要と診断した。抜歯を行う際,血小板数がすでに減少しており血小板輸血後に抜歯を施行した。その後感染予防の口腔ケアと義歯作製を行い,継続的に管理を行った。
[結果と考察]
血小板減少により,止血困難であったが圧迫止血と止血剤を用いて止血を行なった。その後も抜歯部位に感染なく抜歯窩も良好となり骨髄移植となった。移植後は感染予防の口腔内ケアを徹底的に行なった。また,多数歯抜歯のため食形態が変わり栄養指導も必要となった。口腔ケアと同時に義歯を作製し食形態の回復まですることができた。本症例では,骨髄移植に向けて医師と歯科医師,歯科衛生士が協力して術前から術後まで連携し計画を立てスムーズに治療を行うことが出来、有病高齢者の骨髄移植が成功している。