一般社団法人日本老年歯科医学会 第31回学術大会

講演情報

スポンサードセッション

ライブ

スポンサードセッション1

2020年11月7日(土) 13:00 〜 13:40 D会場

座長:渡邊 裕(北海道大学 大学院歯学研究院 口腔健康科学分野 高齢者歯科学教室)

共催:株式会社クリニコ
ライブ講演はこちら
パスコード:134630

[SL1] 歯科と栄養ケア・ステーションとの連携(クリニコのスポンサードセッション)

○田中 弥生1 (1. 関東学院大学 栄養学部 管理栄養学科 教授)

【略歴】
最終学歴
平成28年3月:
筑波大学大学院 人間総合科学研究科博士課程 スポーツ医学専攻修了 博士(スポーツ医学)

職歴

昭和56年4月:
医療法人新都市医療研究会「君津会」南大和病院栄養科 入職
平成20年4月:
駒沢女子短期大学 食物栄養科 准教授
平成20年4月:
医療法人新都市医療研究会「君津会」南大和病院 栄養科 顧問
平成26年4月:
駒沢女子大学 人間健康学部健康栄養学科 教授
平成30年4月:
関東学院大学 栄養学部管理栄養学科 教授

現在に至る
歯・口の機能虚弱は、食環境の悪化から始まる筋肉減少を経て最終的に生活機能障害に至る構造と研究で示されており歯科口腔機能の軽微な機能低下や食の偏りも認められている。活動量、精神、心理状態、歯・口腔機能、・栄養状態、身体機能など多岐にわたる健康分野に関与することが明らかになってきた。これらは歯科に関わる栄養管理はオーラルケアを十分に整備することで栄養管理の維持及び悪化予防に取り組むことができる。

また、近年、介護予防による包括的な医療・介護が叫ばれるなか、療養者が「低栄養状態」に陥らないようにする為、疾患を早期に発見し、予防による「重症化予防」が推進されている。特に栄養管理は、居宅療養者を取り巻く家族及び管理栄養士、歯科医師、歯科衛生士などとの職種間の栄養の知識、認識、情報の共有を必要としている。

 そのうち栄養管理を担う栄養ケア・ステーション(以下栄養CS)は、管理栄養士・栄養士の栄養ケア活動の地域拠点とすることによって地域住民のアウトリーチとアクセスを抜本的に拡充し、栄養ケアの支援と指導を受けることができる地域社会づくりを目指している。

栄養改善は、本人(および介護者)・医療機関(歯科を含む)・介護予防施設・地域包括支援センター等が栄養管理情報を共有化し適切にアプローチすることが重要である。しかし、地域連携パスなどによる医療・介護関係者同士の情報の共有化はしているものの栄養管理による居宅療養者や家族が認識するために共有化されたものは少なく、低栄養状態が見逃されることも多い。栄養ケアプロセスによる継続した栄養管理を実施することにより入退院を繰り返す低栄養状態の居宅療養者数は減少すると言われている。また最近では、歯科との連携で介護福祉施設では口腔及び栄養を繋ぐ栄養ケア・マネジメントによるミールラウンドが進められており、地域でもその必要性が高くなっている。その手段の一つとして地域クリニカルパスやお薬手帳などが活用されている。中でも、地域の医療や福祉との連携を深めて、地域住民の食生活及び栄養障害の改善、疾病の再発予防や疾病の予防し、情報集約の拠点として顔の見える管理栄養士・栄養士と歯科が連携することで長期に渡る継続的な地域の栄養ケアの関与が必要であるが、歯科内で栄養評価しそのケアに結び付く人的資源はまだ不足している。今回は日本栄養士会及び都道府県栄養士会が認定する栄養CSについて解説し、事例として歯科と認定栄養CSが連携した栄養管理の実際についてお話したい。