[認定P-30] 多職種連携により脳梗塞再発後の回復期に摂食嚥下リハビリテーションを行った1症例
【目的】
摂食嚥下リハビリテーション(以下、嚥下リハ)介入していた患者に対し、脳梗塞再発の退院直後に嚥下機能の再評価を行い、嚥下リハの再開が可能であった症例を経験したので報告する。
【症例の概要と処置】
88歳女性。2017年4月に脳梗塞により入院。約1ヶ月間の入院ののち、同年5月に自宅退院。同年8月に訪問診療にて嚥下機能評価を行った。
初診時、患者は右片麻痺で寝たきり状態であり運動性失語を認めた。入院中は食事中のむせがあるため食事形態をペースト食に変更し、退院後も嚥下機能評価を受けることなくペースト食の摂取を継続していた。当科介入後は複数回にわたり、嚥下内視鏡検査を含めた嚥下機能評価とそれに基づく嚥下リハを患者家族、多職種に対して行った。2018年2月には特別な食事形態は除き、ほぼ常食の経口摂取が可能となった。しかし、2019年3月に脳梗塞が再発した。再入院し経口摂取困難となり、同年4月に胃瘻造設し自宅退院となった。退院当日に患者宅にてサービス担当者会議が行われ、その場で嚥下機能評価を行い、嚥下リハの計画を患者と多職種で共有した。一口量を調整すればとろみ水を2〜3口摂取することが可能であったため、直接訓練から嚥下リハを開始した。その後、お楽しみ程度ではあるがペーストやゼリーの経口摂取を継続している。
【結果と考察】
本症例では脳梗塞後の回復期にあたる時期に在宅で嚥下リハを開始した。初発脳梗塞後の嚥下リハ介入により、FOIS level 4からlevel 6まで食上げ可能となり、嚥下リハの重要性を患者家族、多職種が理解し実感していた。そのため、脳梗塞再発の際には退院当日の自宅での担当者会議の場で嚥下機能評価を行うことができた。歯科がサービス担当者会議に参加することはまだ一般的とは言えず、嚥下リハの重要性についての理解がなければ嚥下機能評価および嚥下リハの再開が大幅に遅れた可能性が考えられる。 嚥下リハの重要性は在宅医療の現場でも認識が広まっているものの、いまだ初回の嚥下リハ介入が遅れるケースは散見される。嚥下リハの重要性を多職種で共有することは、患者の病状に応じた速やかな嚥下機能評価、嚥下リハ介入に有効であると考える。
(COI開示:なし)
摂食嚥下リハビリテーション(以下、嚥下リハ)介入していた患者に対し、脳梗塞再発の退院直後に嚥下機能の再評価を行い、嚥下リハの再開が可能であった症例を経験したので報告する。
【症例の概要と処置】
88歳女性。2017年4月に脳梗塞により入院。約1ヶ月間の入院ののち、同年5月に自宅退院。同年8月に訪問診療にて嚥下機能評価を行った。
初診時、患者は右片麻痺で寝たきり状態であり運動性失語を認めた。入院中は食事中のむせがあるため食事形態をペースト食に変更し、退院後も嚥下機能評価を受けることなくペースト食の摂取を継続していた。当科介入後は複数回にわたり、嚥下内視鏡検査を含めた嚥下機能評価とそれに基づく嚥下リハを患者家族、多職種に対して行った。2018年2月には特別な食事形態は除き、ほぼ常食の経口摂取が可能となった。しかし、2019年3月に脳梗塞が再発した。再入院し経口摂取困難となり、同年4月に胃瘻造設し自宅退院となった。退院当日に患者宅にてサービス担当者会議が行われ、その場で嚥下機能評価を行い、嚥下リハの計画を患者と多職種で共有した。一口量を調整すればとろみ水を2〜3口摂取することが可能であったため、直接訓練から嚥下リハを開始した。その後、お楽しみ程度ではあるがペーストやゼリーの経口摂取を継続している。
【結果と考察】
本症例では脳梗塞後の回復期にあたる時期に在宅で嚥下リハを開始した。初発脳梗塞後の嚥下リハ介入により、FOIS level 4からlevel 6まで食上げ可能となり、嚥下リハの重要性を患者家族、多職種が理解し実感していた。そのため、脳梗塞再発の際には退院当日の自宅での担当者会議の場で嚥下機能評価を行うことができた。歯科がサービス担当者会議に参加することはまだ一般的とは言えず、嚥下リハの重要性についての理解がなければ嚥下機能評価および嚥下リハの再開が大幅に遅れた可能性が考えられる。 嚥下リハの重要性は在宅医療の現場でも認識が広まっているものの、いまだ初回の嚥下リハ介入が遅れるケースは散見される。嚥下リハの重要性を多職種で共有することは、患者の病状に応じた速やかな嚥下機能評価、嚥下リハ介入に有効であると考える。
(COI開示:なし)