The 31st Congress of the Japanese Society of Gerodontology

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ライブ

スポンサードセッション3

Sun. Nov 8, 2020 12:00 PM - 12:40 PM D会場

座長:菊谷 武(日本歯科大学口腔リハビリテーション多摩クリニック)

共催:イーエヌ大塚製薬株式会社
ライブ講演はこちら

[SL2] 老いても足で歩くまち、老いても口から食べるまち

○丸山 道生1 (1. 医療財団法人緑秀会 田無病院 院長)

【略歴】
1980年:
東京医科歯科大学医学部 卒業
1983年:
東京都立駒込病院 病理科・外科医員
1988年:
東京医科歯科大学 第一外科医員
1990年:
カリフォルニア大学サンディエゴ校メディカルセンター 外科
1992年:
東京医科歯科大学 第一外科助手
1993年:
東京都立大久保病院 外科医長
2004年:
東京都職員共済組合青山病院 外科部長
2005年:
東京都保健医療公社大久保病院 外科部長
2014年:
現職、田無病院 院長
地域包括ケアシステムの地域での構築

超高齢化社会において、高齢者が住み慣れたまちでいつまでも元気に暮らすためには、地域包括ケアシステムの構築が重要である。我々の活動拠点である西東京市は2011年にWHOの健康都市連合に加盟し、「健康応援都市」を目指している。そして地域包括ケア推進協議会が設立され、6部会が活発に活動をし、市をあげてのフレイル予防、食支援の取り組みも行ってきた。田無病院は西東京市の地域包括ケア推進の中心的役割を果たすとともに、独自のプログラムで地域包括ケアを推進している。そして「老いても足で歩くまち、老いても口から食べるまち、西東京」のスローガンを掲げている。

地域での「栄養」と「運動」の重要性と食支援活動

高齢者が地域で最期まで元気に暮らすためには、「栄養」と「運動」が最も重要といえる。まさに「老いても足で歩くまち、老いても口から食べるまち」を作っていくことが必要である。さらに「社会参加」を加えると、それはフレイル予防の3要素となる。地域で栄養を考えること、食や栄養を支えることは、地域包括ケアの推進のための大きなキーワードである。現在、栄養指導・栄養改善や食支援の地域での活動が、全国で芽吹いている。Tokyo EATや新宿食支援研究会、ごちそうさまの会など多くの団体が地域の食支援をテーマに活動し、東京の北多摩北部医療圏では栄養検討部会が、西東京市では食支援活動研究が行われ、官民挙げての地域での取り組みとなってきている。特記すべきは、このような食支援活動に地域の歯科医師が中心的役割を果たしていることである。

地域での高齢者栄養改善・維持の取り組み

講演では、我々の行っている取り組みを紹介する。1)地域での嚥下調整食分類の周知;嚥下調整食のインフォーマティブ・ポスターの作成とその効果を検証している。2)最期まで口から食べるプロジェクト;日本歯科大学口腔リハビリテーションクリニックと共同で、入院から在宅までの嚥下機能の評価とリハビリを行っている。3)地産地消の病院食;西東京市JAの協力を得て、近隣の農家でとれた野菜を使った病院食を提供。4)農業作業リハビリテーション;隣接する東京大学生態調和農学機構と共同研究で、各種の江戸野菜を育て収穫し食するというリハビリを行っている。その他、西東京市に協力し行っている「フレイル予防」や「食支援活動」も紹介する。