The 31st Congress of the Japanese Society of Gerodontology

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一般演題(口演・誌上開催)

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連携医療・地域医療

[O一般-022] 患者入院支援・周術期管理チームにおける歯科衛生士の活動報告

○藤原 千尋1、盛田 梨乃1 (1. NHO福山医療センター 歯科衛生室)

【目的】
 当院では2018年12月より入院が決定した患者において入院前から個々の患者に合わせた継続的な支援を多職種連携にて行う事を目的に、患者入院支援・周術期管理チーム(以下,PASPORT)を本格稼働した。PASPORTは、医師、麻酔科医、看護師、薬剤師、理学療法士、管理栄養士、MSW、臨床工学技士、医師事務作業補助者、歯科衛生士(以下,DH)で構成している。従来稼働している周術期口腔機能管理システムをPASPORTの活動に組み込み、地域歯科医療連携を拡大した。今回、PASPORTにおけるDHの活動を報告する。
【方法】
 PASPORT対象となった症例の内、外科手術症例および上部ESD、ERCPを施行する内科症例において入院決定時に外来にてDH介入を行い口腔衛生指導、患者教育を実施。内科症例においては、早期歯科受診が必要と判断した場合、かかりつけ歯科医療機関へ情報提供し入院前の歯科受診を促す。義歯の有無について看護師へ情報提供を行う。外科手術症例においては、術前歯科受診の必要性を説明し患者教育および口腔衛生指導を行い、原則全症例において周術期口腔機能管理を実施するべく地域歯科医療機関へ依頼書を発行。従来稼働している周術期口腔機能管理システムにおける登録歯科医療機関以外を選択した症例においては、当該歯科医療機関に周術期口腔機能管理を依頼する。挿管時に歯牙脱落等のリスクのある症例においては、看護師、麻酔科医と情報共有する。
【結果と考察】
 2018年12月~2019年12月の過去1年間の期間、PASPORT対象者となった511件のうちDH介入症例は413件。内科症例140件、歯科紹介を行った症例は10件。外科手術症例は273件、登録歯科医療機関以外の歯科医療連携をおこなったのは59件、その内市外の連携は34件であった。かかりつけ歯科医療機関を優先とする周術期口腔機能管理が実施でき登録歯科医療機関への歯科医療連携を行う事ができた。PASPORTにおけるDHの役割は大きく、DHが関わる事で患者の口腔健康管理の認識は高まりQOLの向上かつ地域歯科医療連携の拡大にも繋がった。歯科非標榜の病院においても歯科医療連携を行うシステムの構築、連携を調整する役割を担う人材が必要であると考える。(COI:開示なし)