The 31st Congress of the Japanese Society of Gerodontology

Presentation information

一般演題(口演・誌上開催)

PDFポスター

教育

[O一般-042] 救急蘇生法講習会参加者の講習会に関する意識調査

○旭 吉直1,2、畑中 有希1,2、宮本 順美1,2、青野 陽2、大道 士郎1,2 (1. 社会医療法人大道会森之宮病院、2. 社会医療法人大道会ボバース記念病院)

【目的】

近年,心停止発生時のバイスタンダーによる一次救命処置(BLS)による救命処置が重要視されるようになり,日本国内でも自動体外式除細動器(AED)が広く普及し,多くの歯科医院にも設置されている。当法人でも以前から職員および近隣住民を対象としてBLS講習会を行っている。今回,このBLS講習会の今後の運営の参考にするために参加者の意識調査を行ったので報告する。なお,調査は無記名で行っている。

【方法】

受講者20名の内,未回答の2名を除いた18名を対象とした。対象者の性別は男性1名女性17名で,年齢は 20~79歳,平均45.3±18.9歳であった。当法人の職員が15名(看護師13名,介護士1名,臨床工学技士1名),付近の住民が3名であった。先ず,講習前に4つの質問(BLS講習の経験,緊急時のBLS参加意欲,講習会で習得したい項目,成人と小児でどちらのBLSを受講したいか)を行った。次にBLS講習会を実施した。講習会は約1時間で,講義の後に,マネキンとAEDトレーナーを用いて成人の人工呼吸,胸骨圧迫,AED操作,窒息解除法について実習した。講習後に,3つ(この講習でもっと時間をかけて欲しかった項目,緊急時のBLS参加意欲,講習会の時間の適正度)質問した。

【結果と考察】

講習会前,緊急事態には積極的にBLSに参加すると回答した者が5名,頼まれれば参加すると回答した者が11名,あまり参加したくない者が2名であったのが,講習会後は積極的参加11名,依頼で参加7名へと大幅に改善された。講習会前は,10名前後の者が胸骨圧迫,AED操作法,窒息解除法を学びたいと回答し,講習会後もこれらの項目にもっと時間をかけて欲しかったと4~5名が回答した。成人と小児ではどちらのBLSも知りたいという意見が13名からあった。講習会の時間は1時間が適度と15名が回答した。

今回の受講者はBLSへの意識が高かったと考えられる。短時間の講習会であったが,緊急時のBLS参加への意欲を高める効果が認められた。ただ,成人および小児の心肺蘇生,AED,窒息解除など多くの項目を1時間程度で体得させるのは困難であり,さらなる工夫が必要と考えられた。  

(森之宮病院倫理審査委員会承認番号397)