[P一般-112] 当初、三叉神経痛と舌痛症の併発が疑われた小脳橋角部の類上皮腫の1例
【目的】
三叉神経痛の中枢性の精査により、腫瘍性病変が見つかることはたびたび報告されている。今回、前医で三叉神経痛と舌痛症の併発が疑われ当科に紹介受診した症例が、その後の脳外科でのMRで小脳橋角部の類上皮腫が認められた症例を経験したので報告する。
【症例の概要と処置】
81歳、女性。既往疾患、常用薬剤なし。X-3年5月、下顎左側第一大臼歯の近心根をヘミセクションしBr装着後から、時々下顎左側に激痛が発生することがあった。最近になり左側舌縁にもヒリヒリした痛みが出現し、近医病院口腔外科でスプリントを装着したが改善ないためX年3月、他院口腔外科受診。痛みは左舌縁に関しては朝方と夕方、就寝時にヒリヒリした痛みを自覚するが、摂食時には自覚しなかった。左側下顎骨体部の痛みは、1日数回数秒間の電撃様疼痛が発生した。口内所見、パノラマ写真から特に明らかな異常所見は認めなかったがCT写真からは慢性の下顎骨骨髄炎の所見が認められた。舌に関しては舌痛症、下顎骨体部に関しては三叉神経痛の疑いと診断されたが、両症状ともその後、軽快傾向を示したため経過観察になった。1月後、舌の痛みは高度に強まり口内全体の灼熱痛を強く訴えるようになったため、当科紹介受診した。痛みは食事開始時と歯磨き時に発生し、舌痛も三叉神経痛の一症状の可能性があったため、カルバマゼピンを100mgから開始した。翌日から痛みは軽快し、食事が可能になった。鈍い痛みは残存したためさらに50mgを追加したところ、一時痛みは完全に消失したが、その後再燃傾向を呈したため、脳神経外科に対診した。
【結果と考察】
同科のMRで、小脳橋角部の腫瘍性病変が認められ、拡散強調画像で高信号になったことから類上皮腫が示唆された。その後のカルバマゼピンの増量で痛みはコントロールされたため、今後疼痛が増悪した場合には手術予定となった。
三叉神経痛の中枢性の精査により、腫瘍性病変が見つかることはたびたび報告されている。今回、前医で三叉神経痛と舌痛症の併発が疑われ当科に紹介受診した症例が、その後の脳外科でのMRで小脳橋角部の類上皮腫が認められた症例を経験したので報告する。
【症例の概要と処置】
81歳、女性。既往疾患、常用薬剤なし。X-3年5月、下顎左側第一大臼歯の近心根をヘミセクションしBr装着後から、時々下顎左側に激痛が発生することがあった。最近になり左側舌縁にもヒリヒリした痛みが出現し、近医病院口腔外科でスプリントを装着したが改善ないためX年3月、他院口腔外科受診。痛みは左舌縁に関しては朝方と夕方、就寝時にヒリヒリした痛みを自覚するが、摂食時には自覚しなかった。左側下顎骨体部の痛みは、1日数回数秒間の電撃様疼痛が発生した。口内所見、パノラマ写真から特に明らかな異常所見は認めなかったがCT写真からは慢性の下顎骨骨髄炎の所見が認められた。舌に関しては舌痛症、下顎骨体部に関しては三叉神経痛の疑いと診断されたが、両症状ともその後、軽快傾向を示したため経過観察になった。1月後、舌の痛みは高度に強まり口内全体の灼熱痛を強く訴えるようになったため、当科紹介受診した。痛みは食事開始時と歯磨き時に発生し、舌痛も三叉神経痛の一症状の可能性があったため、カルバマゼピンを100mgから開始した。翌日から痛みは軽快し、食事が可能になった。鈍い痛みは残存したためさらに50mgを追加したところ、一時痛みは完全に消失したが、その後再燃傾向を呈したため、脳神経外科に対診した。
【結果と考察】
同科のMRで、小脳橋角部の腫瘍性病変が認められ、拡散強調画像で高信号になったことから類上皮腫が示唆された。その後のカルバマゼピンの増量で痛みはコントロールされたため、今後疼痛が増悪した場合には手術予定となった。