一般社団法人日本老年歯科医学会 第31回学術大会

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口腔機能

[P一般-016] 摂食嚥下障害患者におけるオトガイ舌骨筋の嚥下時収縮率と摂食嚥下機能や全身との関連

○玉井 斗萌1、原 豪志1、並木 千鶴1、中川 量晴1、吉見 佳那子1、山口 浩平1、Chantaramanee Ariya1、奥村 拓真1、石井 美紀1、長澤 祐季1、吉澤 彰1、戸原 玄1 (1. 東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科高齢者歯科学分野)

[目的]

舌骨上筋であるオトガイ舌骨筋(Geniohyoid muscle: GH)は、嚥下時の舌骨前方挙上に関与する重要な筋肉である。超音波検査を用いてGHの嚥下時収縮率を測定することが可能であり、摂食嚥下機能との関連が報告されている。また、健常高齢者においては舌骨上筋である開口筋の筋力と体幹の筋肉量である体幹筋指数(Trunk muscle mass index:TMI)が関連することが報告されている。一方、摂食嚥下障害患者ではGH嚥下時収縮率と全身との関連性は不明である。本研究は、嚥下障害患者のGHの収縮率と全身との関連を明らかにすることを目的とした。

[方法]

当科外来および関連施設、また訪問診療を行った摂食嚥下障害高齢患者71名(男性29名、女性41名、平均年齢84.4±7.4歳)を対象とした。測定項目は、年齢、性別、FOIS (Functional oral intake scale)、姿勢、ADLの指標であるバーセル指数(Barthel Index:BI)を測定した。体幹筋肉量は、InBody (Inbody Japan社)を用いて測定し身長の2乗で除してTMIを算出した。また、超音波診断装置(Sonosite M-Turbo)を用いてGH嚥下時収縮率や舌骨前方・上方挙上の移動量、GHの面積を測定した。GH嚥下時収縮率は、2%とろみ水3ccを嚥下させた時の最大収縮時のGHの長さを安静時のGHの長さで徐した値とし、2回計測した際の平均値を採用した。さらに、GH嚥下時収縮率の計測時姿勢を車椅子、リクライニング車椅子、リクライニングベッドの3群に分類した。また、対象者を経管栄養群(FOIS<4)と経口摂取群(FOIS>3)の2群に分けた。統計処理はGHの収縮率を従属変数とした重回帰分析を行い、有意水準を0.05とした。

[結果と方法]

多変量解析により性別と年齢を調整した結果、GHの収縮率の説明変数として有意であった変数は、経管栄養の有無(β=-0.185、p=0.046)、BI(β=0.324、p=0.006)、舌骨前方挙上(β=0.453、p<0.005)であった。よって、GHの収縮率は摂食嚥下機能や舌骨前方挙上と関連していることが示唆された。さらにADL低下に伴い、GHの収縮率が低下する可能性が考えられた。



(COI開示:なし)

(東京医科歯科大学 倫理審査委員会承認番号 D2018-015)