The 31st Congress of the Japanese Society of Gerodontology

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一般演題(ポスター)

PDFポスター

口腔機能

[P一般-021] 地域在住高齢者と特別養護老人ホーム入所高齢者における口腔機能訓練効果の検討

○荒川 いつか1、赤泊 圭太2、後藤 由和2、圓山 優子2、白野 美和2 (1. 日本歯科大学 新潟病院 総合診療科、2. 日本歯科大学 新潟病院 訪問歯科口腔ケア科)

【目的】
 口腔機能は加齢や疾患により低下をきたすことがある。本研究では口腔機能の維持向上を目的とした口腔機能訓練を実施し高齢者における口腔機能と全身状態への効果を検討した。
【方法】
 対象は地域在住高齢者(健康群)と特別養護老人ホームに入所中の高齢者(施設群)とした。訓練期間は2か月とし,訓練前後の各対象者の口腔衛生,口腔乾燥,咀嚼機能,舌圧,舌口唇運動機能(/p/,/t/,/k/),BMI,SMIを評価した。健康群と施設群の各項目の比較には対応のないT検定またはMann-Whitney U 検定を,各群の訓練前後の比較には対応のあるT検定またはWilcoxon符号順位検定を用いて解析した。有意水準はp<0.05とした。
【結果と考察】
 対象者は健康群25名(男性12名,平均年齢73.3±7.0歳)と施設群11名(男性4名,平均年齢87.3±7.3歳)であった。訓練前の健康群と施設群において,口腔乾燥(p<0.05),咀嚼機能(p<0.01),舌圧(p<0.01),/p/(p<0.01),/t/(p<0.01),/k/(p<0.01),SMI(p<0.01)の項目で有意差がみられた。訓練前後の変化では,健康群では口腔衛生(p<0.01),口腔乾燥(p<0.05),舌圧(p<0.01),BMI(p<0.01)にて有意差がみられ,施設群では全ての項目で有意差を認めなかった。施設群の対象者は介護度3以上でADLが低下しているため健康群に比べSMIが低いと考えられる。また多項目の口腔機能の有意な低下を認め,介護度の重症化は摂食嚥下機能を司る口腔機能へも影響を及ぼす可能性があると考えられた。本訓練は摂食嚥下時の舌機能に関する筋群に作用するとされている。そのため本研究でも健康群において訓練後に舌圧の有意な増加がみられた。また口腔乾燥の改善は訓練により唾液腺が刺激され唾液分泌を促したと考えられる。一方施設群では,訓練前後でいずれの項目においても有意差がみられなかった。施設群の口腔機能は訓練により改善する可逆的な状態よりも悪化しているため訓練が奏功しなかったと推察される。以上のことから,口腔機能訓練の介入は早期が有用であり、また本訓練は特に低舌圧の改善に有効であることが示唆された。
(COI 開示:なし)
(日本歯科大学 新潟生命歯学部 倫理審査委員会承認番号ECNG-H-251)