[P一般-026] 地域における健康教室をおこなっての気づき~1年後の縦断調査から~
【目的】
地域で安心して暮らし続けるために,高齢者のフレイルの予防や改善は継続的な支援を必要とする。特にオーラルフレイルに対する予防的な対応は重要で、介護状態の悪化にも影響する。われわれは2018年から地域町会共催の健口増進事業(健口教室)にて計測会及び結果のフォローアップ講座を行っている。2019年度の健口教室を行ったので、その結果を2018年度と比較し、様々な知見を得たので報告をする。
【方法】
2018年に健口教室の計測会に参加した65歳以上の地域住民43名のうち、2019年も参加した13名 (平均年齢,78.1±5.17歳)を対象とした。全ての対象者は、身体障害や認知機能低下を有していなかった。計測項目として、身長、体重、BMI、SMI (Skeletal mass index)、握力、オーラルディアドコキネシス(ディアドコ)、咬合力(デンタルプレスケールⅡ)を測定した。また、嚥下機能をEAT-10、栄養評価をMNA-SFを用いて評価し、咀嚼機能は平井式摂取可能食品アンケートを用いて咀嚼スロアを算出した。さらに、日本老年歯科医学会の口腔機能低下症の学会見解論文に基づき、低咬合力(咬合力500N以下)、舌巧緻性の低下(ディアドコ/ta/もしくは/ka/が6回/秒以下)、嚥下機能の低下(EAT-10で3点以上)をもとに対象者を分類した。計測会から2週間後にフォローアップ講座を参加者に行い、歯科医師が口腔機能向上のための訓練や歯科受診の必要性を指導した。統計解析は、Wilcoxon singed rank testを用いて2018年と2019年の計測項目を比較した。
【結果と考察】
2018年と比較して有意に変化があったのはディアドコのtaのみ(p=0.025)であり、5.8回(5.6-6.9)から6.4回(5.8-7.1)に増加した。2019年は、低咬合力が6名、舌巧緻性の低下が7名、嚥下機能の低下が1名、2018年は低咬合力が6名、舌巧緻性の低下が8名、嚥下機能の低下0名であり、舌運動の低下を呈する者が減少する一方で、飲みこむ力の低下を呈する者が増加した。本調査から、口腔機能の向上のためには、集団健診後のフォローアップ講座を単発ではなく、定期的に行うことが必要であることが示唆された
(東京医科歯科大学歯学部倫理委員会承認番号D2014-047)
(COI開示:なし)
地域で安心して暮らし続けるために,高齢者のフレイルの予防や改善は継続的な支援を必要とする。特にオーラルフレイルに対する予防的な対応は重要で、介護状態の悪化にも影響する。われわれは2018年から地域町会共催の健口増進事業(健口教室)にて計測会及び結果のフォローアップ講座を行っている。2019年度の健口教室を行ったので、その結果を2018年度と比較し、様々な知見を得たので報告をする。
【方法】
2018年に健口教室の計測会に参加した65歳以上の地域住民43名のうち、2019年も参加した13名 (平均年齢,78.1±5.17歳)を対象とした。全ての対象者は、身体障害や認知機能低下を有していなかった。計測項目として、身長、体重、BMI、SMI (Skeletal mass index)、握力、オーラルディアドコキネシス(ディアドコ)、咬合力(デンタルプレスケールⅡ)を測定した。また、嚥下機能をEAT-10、栄養評価をMNA-SFを用いて評価し、咀嚼機能は平井式摂取可能食品アンケートを用いて咀嚼スロアを算出した。さらに、日本老年歯科医学会の口腔機能低下症の学会見解論文に基づき、低咬合力(咬合力500N以下)、舌巧緻性の低下(ディアドコ/ta/もしくは/ka/が6回/秒以下)、嚥下機能の低下(EAT-10で3点以上)をもとに対象者を分類した。計測会から2週間後にフォローアップ講座を参加者に行い、歯科医師が口腔機能向上のための訓練や歯科受診の必要性を指導した。統計解析は、Wilcoxon singed rank testを用いて2018年と2019年の計測項目を比較した。
【結果と考察】
2018年と比較して有意に変化があったのはディアドコのtaのみ(p=0.025)であり、5.8回(5.6-6.9)から6.4回(5.8-7.1)に増加した。2019年は、低咬合力が6名、舌巧緻性の低下が7名、嚥下機能の低下が1名、2018年は低咬合力が6名、舌巧緻性の低下が8名、嚥下機能の低下0名であり、舌運動の低下を呈する者が減少する一方で、飲みこむ力の低下を呈する者が増加した。本調査から、口腔機能の向上のためには、集団健診後のフォローアップ講座を単発ではなく、定期的に行うことが必要であることが示唆された
(東京医科歯科大学歯学部倫理委員会承認番号D2014-047)
(COI開示:なし)