The 31st Congress of the Japanese Society of Gerodontology

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一般演題(ポスター)

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連携医療・地域医療

[P一般-041] 嚥下内視鏡検査を受けた回復期高齢患者の退院時における摂食嚥下レベルとADLおよび栄養状態に関する検討

○原田 真澄1、平塚 正雄1、二宮 静香1、山口 喜一郎1、熊丸 優子1、久保田 智彦2 (1. 医療法人博仁会 福岡リハビリテーション病院歯科、2. 社会福祉法人若楠 療育医療センター若楠療育園)

【目 的】
 回復期リハビリテーション(以下,リハ)病棟に入院している高齢者では栄養障害を認めることが多い。また入院時の栄養障害は退院時のADLや自宅復帰に影響を及ぼすことが知られている。今回,回復期リハ病棟に入院し嚥下内視鏡検査を受けた高齢患者において,退院時の摂食嚥下能力とADLおよび栄養状態との関連性を明らかにする目的で調査した。
【方法】
 福岡市内の某病院回復期リハ病棟に入院し,嚥下内視鏡検査を受けた65歳以上の高齢患者57名(男性36名)を対象とした。調査内容は主病名,ADL,栄養状態,嚥下能力グレード(藤島1993)および摂食嚥下レベル(Food Intake Level Scale;FILS)について電子カルテより抽出した。ADLはFunctional Independence Measure(FIM),栄養状態はGeriatric Nutritional Risk Index(GNRI)などにより評価し,退院時のFILSを目的変数とした多変量解析を行った。さらに,退院時のFILSにより経口摂取群と非経口摂取群の2群に分類し,退院時のADLや栄養指標などの各調査項目を単変量解析により比較検討した。本研究は福岡リハビリテーション病院医療倫理審査委員会の承認を得て,後ろ向き調査で行なった。
【結果と考察】
 退院時のFILSを目的変数とした多変量解析(Stepwise法)では,関連因子としてFIM認知(β=0.28,p=0.039)と嚥下能力グレード(β=0.43,p=0.002)が抽出された。単変量解析では,非経口摂取群でFIM認知,FIM運動および栄養指標などにおいて,経口摂取群よりも有意に低い値を示した。回復期高齢患者の退院時における摂食嚥下レベルには,入院時の認知機能と嚥下能力グレードが関連していたことから,高齢患者では入院時からの嚥下能力の評価に加え,認知機能の評価も重要であると考える。
(COI 開示:なし)
(福岡リハビリテーション病院医療倫理委員会承認番号 FRH2019-D-006)