The 31st Congress of the Japanese Society of Gerodontology

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一般演題(ポスター)

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連携医療・地域医療

[P一般-043] 牛久市口腔がん検診受診者におけるアンケート調査

○廣畠 広実1,2,3、兼久 大輔3、森谷 達樹3、深澤 弘明3 (1. 社会医療法人 若竹会 つくばセントラル病院歯科口腔外科、2. 筑波大学大学院人間総合科学研究科疾患制御医学専攻 顎口腔外科分野、3. 牛久市歯科医師会)

【目的】わが国では超高齢社会の到来とともに口腔がん患者も増加しており, 早期発見・前がん状態での治療実現が課題となっている. 茨城県においても各地区において歯科医師会が中心となり口腔がん検診が行われ始めている. 2012年より牛久市で年1回開かれる「みんなのしあわせ見本市」において牛久市歯科医師会, 牛久市内病院歯科口腔外科と筑波大学歯科口腔外科で連携して希望者に口腔がん検診を実施してきた. 今回は, その口腔がん検診の概要と受診者アンケート調査を元に今後の口腔がん検診のあり方について検討を行ったので報告する.

【対象および方法】対象は2012年~ 2019年(2016年を除く)牛久市事業である「みんなのしあわせ見本市」において行っている口腔がん検診を受診した者とした. 方法は受診時同意を得た受診者に対して性別, 年齢, およびアンケート項目である口腔がん検診の受診歴, 受診動機, 症状の有無, 症状がある場合の近医受診歴の有無, 既往歴, 喫煙歴, 飲酒歴, 親族のがん既往歴, がん検診(口腔がん以外)の受診歴, かかりつけ歯科医院の有無を調査し、診察結果も含めて検討を行った.

【結果】受診者総数はのべ596名(男性186名, 女性410名)で, 平均年齢65.2歳, 「機会があったから」という動機が最多であった. 「症状がある」が全体の19.3%, 「症状があり診察を受けた」13.3%であった. 「既往あり」約半数にみられ高血圧症が最多であった. 「喫煙歴(禁煙中も含む)あり」20.8%, 「飲酒歴があり」47.8%, 「家族歴にがん既往あり」52.3%であった. 「他のがん検診受診歴があり」70.5%, 「かかりつけ歯科医院あり」76.3%であった. 診察の結果, 粘膜病変や耳下腺腫瘍は数人みられたが, 口腔がんの患者は認めなかった.

【考察】検診受診者は比較的口腔内の健康意識が高いと考えられ, 非受診者にがんが多く潜在している可能性は否定できない. 今後も口腔がん患者の増加が予想されるため, 市民への啓蒙活動を推進すること, そしてかかりつけ歯科医がある受診者が約8割と多く, かかりつけ歯科医における検診が非常に重要であると思われる.
(COI:開示なし)(つくばセトラル病院倫理審査委員会承認番号 200101)