The 31st Congress of the Japanese Society of Gerodontology

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一般演題(ポスター)

PDFポスター

実態調査

[P一般-053] 口腔機能と握力・サルコペニアの関連性について

○佐々木 みづほ1、豊下 祥史1、菅 悠希1、川西 克弥1、原 修一2、三浦 宏子3、越野 寿1 (1. 北海道医療大学歯学部咬合再建補綴学分野、2. 九州保健福祉大学保健科学部言語聴覚療法学科、3. 国立保健医療科学院国際協力研究部)

【調査】
口腔機能と握力・サルコペニアの関連性について
〇佐々木みづほ1),豊下祥史1),菅 悠希1),川西克弥1),原 修一2),三浦宏子3),越野 寿1)
1)北海道医療大学歯学部咬合再建補綴学分野 
2)九州保健福祉大学保健科学部言語聴覚療法学科 
3)国立保健医療科学院国際協力研究部
【目的】
 サルコペニアは筋肉量の減少によって身体活動を制限し、高齢期のQOLを低下させる。また、栄養摂取と関連しており、高齢者の食力維持・向上が重要であるが、口腔機能とサルコペニアとの関係について詳細は不明である。本研究は簡便な骨格筋量算出方法を用いてサルコぺニアと口腔機能の関連を検討した。
【方法】
 地域居住の65歳以上自立高齢者へ協力を依頼し、承諾を得られた130名を調査、分析対象とした。
(1)口腔機能検査:口腔内診査により、一人平均現在歯数および咬合接触関係を調査後、アイヒナー分類・ケネディ分類・宮地の咬合三角分類を算出した。次に25品目からなる摂取可能食品アンケートを実施し咀嚼スコアを算出後、試験食品による咀嚼機能検査を行った。
(2) 身体体力検査:握力、下腿周囲長、身長、体重、既往歴、現在の健康状態を調査し、下方らの方法でSMI値を求めサルコペニア判定を行った。
(3) 統計分析:(2)の結果から、握力高値群と握力低値群の2群、サルコペニア群と非サルコペニア群の2群に分け、(1) (2)で得られた口腔機能と身体体力検査の結果についてStudent-t test、χ独立性の検定で統計分析を行った。
【結果と考察】
 a.残存歯数において、非サルコペニア群に比較し、サルコペニア群で有意に低い値が認められた。(p=0.017)
 b.残存歯数・咀嚼スコアにおいて、握力高値群に比較し、握力低値群で有意に低い値が認められた。(p=0.016、
  p=0.021)
 c.握力高値群と握力低値群の間で宮地の咬合三角分類・上顎ケネディ分類の割合に有意な差が認められた。(p=0.022、
  p=0.039)
 d.非サルコペニア群とサルコペニア群の間で下顎ケネディ分類の割合に有意な差が認められた。(p=0.041)
以上より、骨格筋低下が疑われる高齢者は残存歯が少なく、咀嚼スコアが低いことが示唆された。口腔機能の維持はサルコペニア予防に深く関わっていると考えられる。COI開示なし。北海道医療大学倫理審査委員会承認番号第123号