一般社団法人日本老年歯科医学会 第32回学術大会

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地域歯科医療部門

[P一般-026] 島根県後期高齢者歯科口腔健診用グミ(ファイン組)と口腔機能低下症診断用グミとの比較検討

○清水 潤1、富永 一道1、齋藤 寿章1、西 一也1、井上 幸夫1 (1. 島根県歯科医師会地域福祉部委員会)

【目的】

 島根県後期高齢者歯科口腔健診(LEDO健診)では咀嚼能力検査用グミとしてファイン組(以下LEDOグミ)を15秒間努力咀嚼した時の分割数(グミ15秒値)を使用している。我々は、令和元年度8020推進財団公募研究「摂食機能を評価する規格化弁当の製作と評価の試み」において複数の指標を採用した。その内訳は、①UHA味覚糖グミ(以下UHAグミ)②GCグルコラム(以下GCグミ)および③LEDOグミである。3指標相互の相関関係について解析することができたので報告する。

【方法】

 参加者28名(平均年齢80.5±4.9 男/女:14/14)に対して3種類の咀嚼能力検査を実施した。①UHAグミ②GCグミ③LEDOグミから2指標を組み合わせた散布図を3枚作成し、それぞれの組み合わせの回帰直線を推定し決定係数を参考にして、それぞれの指標相互の相関関係を検討した。島根県産業技術センターにてそれぞれのグミの切断強度を測定し相関関係と共に考察した。

【結果と考察】
 
 UHAグミとLEDOグミの散布図から回帰直線Y=0.12X+2.62(Y;UHAグミスコア X;LEDOグミ分割数)が推定され(分散分析p<0.001)、相関係数R=0.78 自由度修正済み決定係数R2=0.59だった。UHAグミとGCグミの散布図から回帰直線Y=0.02X+0.76(Y;UHAグミスコア X;GCグミグルコセンサー値mg/dl)が推定され(p<0.001)、R=0.80 R2=0.62だった。GCグミとLEDOグミの散布図から回帰直線Y=4.73X+96.58(Y;GCグミグルコセンサー値mg/dl  X;LEDOグミ分割数)が推定され(p<0.001)、R=0.83 R2=0.67だった。相関係数は0.7〜0.9の間にあり、それぞれ強い相関関係にあることが確認された。中でもG CグミとLEDOグミが最も相関関係が強かった。グミ切断強度試験の結果は①UHAグミ5210.0±676.7g②GCグミ3496.7±310.1g③LEDOグミ3713.3±145.0gだった。UHAグミが突出して硬く、GCグミとLEDOグミの硬さが近似していたので相関関係が強く出た可能性があると考えられた。
公益財団法人8020推進財団研究助成(8020公募研究19-4-11)
(COI開示:なし)
(島根県歯科医師会倫理委員会承認番号10)