一般社団法人日本老年歯科医学会 第32回学術大会

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摂食機能療法専門歯科医師審査/更新ポスター

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摂食機能療法専門歯科医師審査/更新ポスター

[摂食P-10] 摂食機能療法専門歯科医師としての国内,国外における地域・社会貢献

○松尾 浩一郎1 (1. 藤田医科大学医学部歯科・口腔外科学講座)

【緒言】

申請者は,摂食機能療法専門歯科医師として,本資格の専門性に基づき国内,国外での地域・社会貢献を行ってきたので報告する。

【活動内容】

申請者は,国内の活動として,地域への摂食嚥下リハビリテーション(リハ)と口腔健康管理の啓発を目的として,東海4県にまたがる東海オーラルマネジメント研究会を2015年に立ち上げた。研究会代表世話人として,東海4県の多職種の世話人とともに,研究会を年に1回,日本老年歯科医学会愛知県支部との併催で開催してきた。本研究会の目的は,「東海地域でのオーラルマネジメントの質の向上を目指すことを目的として,国内外のオーラルマネジメント領域の臨床,研究の一線で活躍されている専門家を招聘して,最先端の講演や実習などを行うことで,地域での多職種連携の強化と知識,技能のボトムアップを図っていくことである。」としている。そのミッションとして,1)地域の歯科医療者への地域高齢者の食支援に関する啓発と教育,2)摂食嚥下リハが行える歯科医療者の育成,3)地域における歯科医療者と他職種とのネットワークの構築,の3つを掲げて活動を行ってきた。また,同研究会内で,歯科医師を対象とした内視鏡実習を含めた実習主体の3日間参加型の摂食嚥下研修セミナーを開催してきた。このような地域活動を行うことで,摂食嚥下障害への対応に関する地域啓発,教育とともに,地域の医療者間のネットワークも構築できたと考える。

国外での活動として,日本摂食嚥下リハ学会の国外教育事業の一環として,2019年に摂食嚥下リハの普及が遅れているマレーシア,ミャンマーにてそれぞれ2日間の講義,ワークショップに参加し,アジア諸国での摂食嚥下リハの教育,啓発を行った。歯科医師として本プログラムに参加することで,東南アジア諸国で,多職種連携による摂食嚥下障害対応の重要性や,その中で歯科医療者が参加することの重要性を理解してもらうことができたと考える。実際に,マレーシアのある大学では,歯科医師を交えた多職種連携チームを作っていくとの連絡をもらい,今後はそのサポートを行っていく予定である。また,台湾では,日本の多職種連携モデルを基にした台湾摂食嚥下学会の設立に参画,協力した。今後も台湾の高齢者歯科医学の中での摂食嚥下リハの教育,普及に努めていく予定である。

COI開示:なし