The 32nd Congress of the Japanese Society of Gerodontology

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摂食機能療法専門歯科医師審査/更新ポスター

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摂食機能療法専門歯科医師審査/更新ポスター

[摂食P-12] 摂食機能療法専門歯科医師としての活動:薬剤師のためのフィジカルアセスメント講習会での活動

○久松 徳子1 (1. 長崎大学病院)

【目的】
 この講習会は,チーム医療の推進において,「薬の専門家」である薬剤師が,患者の状態を把握し,最適な薬物療法を実践,またリスクの高い薬剤を中心に,副作用を防止あるいは早期に発見し重篤化を防止することを目的として行われた。
【活動の概要】
 摂食機能療法専門歯科医師としての活動として,薬剤師のためのフィジカルアセスメント講習会の中で,〜口腔・嚥下系の副作用と嚥下レベルに合わせた服用形態について〜の内容で講義・実習を行なった。
<講義内容>
 ◯「口腔・嚥下系の副作用」は,口腔や嚥下機能に影響を及ぼす薬剤の提示とその副作用として,口腔粘膜や舌の写真を提示した。また、副作用によるものではないが,薬剤師が日頃目にすることがない口腔内を提示した。
 ◯さらに,嚥下機能に影響する薬剤として,器質的な影響・機能的な影響・心理的影響に分け,代表的な薬剤を提示し,重篤な副作用とともに摂食嚥下に関わる副作用として具体的な症状を提示した。
 ◯「嚥下レベルに合わせた服用形態について」は,摂食嚥下とはどのようなものなのかから説明をした。
<実 習>
 講義の次に,とろみ水の作り方,とろみ水やゼリーを用いての内服を実際に体験した。
<講義終了後・後日>
 各講義内容に関して確認テストとアンケートを実施
【結果と考察】
 ◯確認テスト
自宅で記載することもあり,内容もしっかりと記載されており,十分な復習ができたものと思われる。
 ◯アンケート結果
 記載内容から,とろみ水の味がわかり,とろみ水やゼリーでの内服の難しさを体験でき,自身の体験を実際の現場に還元しようという気持ちが強くなっていると思われる。とろみ水やゼリーでの内服は教科書などには記載されているが,実際に薬剤師自身はとろみ水やゼリーでの内服の経験はないとのことであった。被疑薬ではあるが健常者でも内服する行為は難しいものであり,嚥下障害がある場合の内服は,さらに難しいということを体験してもらい,内服という行為における共通認識ができたと思われる。
 講習会への満足度は,病院薬剤師18人中15人,薬局薬剤師4人中4人が満足と回答,病院薬剤師18人中3人がやや満足と回答した。
 この講習会において,嚥下障害患者の内服について,同じ目線で考えることができ,そのことが,他職種が協力して行動することにつながり,多職種協働・チーム医療により近づけることに繋がったと考える。
(COI開示:なし)