The 32nd Congress of the Japanese Society of Gerodontology

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摂食機能療法専門歯科医師審査/更新ポスター

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摂食機能療法専門歯科医師審査/更新ポスター

[摂食P-13] 口腔保健・健康長寿推進センター(DEMCOP)における摂食嚥下障害に対する実践的教育システム

○藤井 航1 (1. 九州歯科大学口腔保健学科多職種連携教育ユニット)

【背景】本学の所在地である北九州市は,高齢化率が30.7%(2020年9月)と政令指定都市中,最も高く,歯科医療においてもその変化への対応は急務である.
【方法】本学では,超高齢社会におけるより安全な歯科治療と摂食嚥下障害の改善をめざし,2016年10月に「口腔保健・健康長寿推進センター(Dental Center for the Medically Compromised Patient:DEMCOP)」を開設しリカレント教育を開始した.DEMCOPは,福岡県の高齢者歯科口腔機能向上事業として,”官:福岡県,学:九州歯科大学,民:地域歯科医師会” が連携した全国初のリカレント教育センターである.演者は「地域に在住する摂食嚥下障害患者に対するアプローチを行なうための実践的教育(摂食嚥下コース)」の歯科医師コースならびに歯科衛生士コースを担当しており,全8回の講義ならびに実習を行っている.また,附属病院においては2018年4月に摂食嚥下リハビリテーションや周術期等口腔機能管理を行う専門外来として「地域包括歯科医療センター(Dental Center for the Medical Based on Community Comprehensive Dentistry:DEMCAB)」を開設した.DEMCABではDEMCOPと連携し,歯科訪問診療を中心に地域の摂食嚥下障害に対するアプローチの強化とともに,附属病院における摂食嚥下障害への対応の強化を目指し,附属病院に勤務する歯科医師を主として,摂食嚥下リハビリテーションに関する専門的な知識・技術を習得することを目的とした院内講習会を開催している.
【結果と考察】歯科医師コースが6期48名,歯科衛生士コースは3期24名,計72名が修了している.院内講習会では5期30名が修了している.今後の展望として,高齢者のみならず乳幼児,小児,成人を含めた人生の各ステージにおけるリカレント教育へ,発展するよう計画している.福岡県の事業終了後には,山口県を含む九州全県を対象とした講習を検討している.さらに,DEMCOP,DEMCABの活動による地域への医療効果などについて,受講生のアンケート調査など詳細な調査・研究を行っていく予定である.今回は,その概要について発表する.(COI:開示なし)