[摂食P-24] 誤嚥を繰り返しながらも在宅で安全に食事摂取ができるよう入院嚥下リハを行った一例
【目的】
在宅における嚥下リハの重要性に関して多数の報告はあるが、手厚い医療的ケアを提供できる病院での短期入院嚥下リハの有効性に関する報告は少ない。そこで、回復期リハから自宅退院したが誤嚥を繰り返すため一旦入院嚥下リハを行い安全な経口摂取を維持できた症例を経験したので報告する。
【症例】
54歳男性。既往歴は脳幹出血(49歳)、脳出血(51歳)、糖尿病、高血圧。2017年10月脳梗塞にて発症後9日で当院回復期リハに入院した。入院時は嚥下調整食2-2・濃いとろみ(日本摂食嚥下リハビリテーション学会嚥下調整食分類2013)で経口摂取していた。嚥下関連筋群の筋力と発声発語器官の協調運動低下を認め、VF / VEでは嚥下調整食品0jや濃いとろみで不顕性誤嚥が確認された。全身状態などを総合的に判断し実用レベルでの経口摂取を目指して嚥下リハを行った。食物形態の家族指導や訪問看護・リハとのカンファレンスを行い在宅でST介入継続できる環境を整え入院後7週で嚥下調整食4・濃いとろみを摂取して自宅退院となった。
【経過】
退院後13・31・35週に当科外来へ食事持参してもらい自宅同様の条件でVEを行った。いずれも退院時と同様に嚥下調整食4・濃いとろみを不顕性誤嚥しているが意識的な咳払いで喀出しながら摂取している状況であった。経過中合併症なく訪問看護や訪問STが在宅で継続指導することで安全性に配慮した摂取方法が獲得されていると判断した。食物誤嚥レベル(摂食嚥下障害臨床的重症度分類)にもかかわらず形態アップ意欲があり在宅や外来ではリスクが高いと考え嚥下リハを目的として入院とした(退院後42週)。食事場面評価やVFから形態変更せずPT やOTも含めリハ実施内容全体の確認を行った。退院後は外来で経過観察することとした。現在まで誤嚥性肺炎や窒息なく経口摂取維持できている。
【考察】
在宅では生活に即した医療やリハを提供することができる一方、リスクの高い医療行為やリハ対応をすることが難しい。病院は即時に医療的対応が取れるためリスクの高い症例への対応やリスクが考えられる食事摂取方法を実践することができる。病院と在宅リハそれぞれの利点を活かし効率的で安全な嚥下リハを行えるようなシステムを構築していくことが必要であると考えられた。
在宅における嚥下リハの重要性に関して多数の報告はあるが、手厚い医療的ケアを提供できる病院での短期入院嚥下リハの有効性に関する報告は少ない。そこで、回復期リハから自宅退院したが誤嚥を繰り返すため一旦入院嚥下リハを行い安全な経口摂取を維持できた症例を経験したので報告する。
【症例】
54歳男性。既往歴は脳幹出血(49歳)、脳出血(51歳)、糖尿病、高血圧。2017年10月脳梗塞にて発症後9日で当院回復期リハに入院した。入院時は嚥下調整食2-2・濃いとろみ(日本摂食嚥下リハビリテーション学会嚥下調整食分類2013)で経口摂取していた。嚥下関連筋群の筋力と発声発語器官の協調運動低下を認め、VF / VEでは嚥下調整食品0jや濃いとろみで不顕性誤嚥が確認された。全身状態などを総合的に判断し実用レベルでの経口摂取を目指して嚥下リハを行った。食物形態の家族指導や訪問看護・リハとのカンファレンスを行い在宅でST介入継続できる環境を整え入院後7週で嚥下調整食4・濃いとろみを摂取して自宅退院となった。
【経過】
退院後13・31・35週に当科外来へ食事持参してもらい自宅同様の条件でVEを行った。いずれも退院時と同様に嚥下調整食4・濃いとろみを不顕性誤嚥しているが意識的な咳払いで喀出しながら摂取している状況であった。経過中合併症なく訪問看護や訪問STが在宅で継続指導することで安全性に配慮した摂取方法が獲得されていると判断した。食物誤嚥レベル(摂食嚥下障害臨床的重症度分類)にもかかわらず形態アップ意欲があり在宅や外来ではリスクが高いと考え嚥下リハを目的として入院とした(退院後42週)。食事場面評価やVFから形態変更せずPT やOTも含めリハ実施内容全体の確認を行った。退院後は外来で経過観察することとした。現在まで誤嚥性肺炎や窒息なく経口摂取維持できている。
【考察】
在宅では生活に即した医療やリハを提供することができる一方、リスクの高い医療行為やリハ対応をすることが難しい。病院は即時に医療的対応が取れるためリスクの高い症例への対応やリスクが考えられる食事摂取方法を実践することができる。病院と在宅リハそれぞれの利点を活かし効率的で安全な嚥下リハを行えるようなシステムを構築していくことが必要であると考えられた。