The 32nd Congress of the Japanese Society of Gerodontology

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摂食機能療法専門歯科医師審査/更新ポスター

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摂食機能療法専門歯科医師審査/更新ポスター

[摂食P-28] 摂食機能療法専門歯科医師としての活動報告

○髙橋 一也1 (1. 大阪歯科大学 高齢者歯科学講座)

【緒言】

 摂食機能療法専門歯科医師制度は、高齢者に必要とされる歯科医療を提供するための摂食嚥下リハビリテーションに関する専門的な知識と技術を有する歯科医師を養成することによって、国民の健康と福祉の増進に寄与することを目的としている。

 しかしながら、摂食嚥下リハビリテーションに関する教育は地域差が非常にあると感じている。私自身も、もちろん学部教育では講義などを受けたことはなく、2009年の本学会のシンポジウムで取り上げられたことをきっかけに、NPO法人摂食介護支援プロジェクトの研修を、また同年に神奈川県摂食嚥下障害歯科医療担当者研修会を受講し、摂食嚥下リハビリテーションと初めて深く向き合ったことを覚えている。

 そしてその温度差の危機感から、2015年より本学の高齢者歯科学の基礎実習に口腔リハビリテーション実習を取り入れた。同年に発刊された「老年歯科医学」に沿って改めた講義・実習の内容について、また地域歯科医師会や歯科衛生士会の研修会、市民公開講座などでの口腔リハビリテーションを広げる活動について報告する。

【活動概要】
1.学部学生への教育

 2015年~「老年歯科医学」に沿った講義

      口腔リハビリテーション実習 

2.歯科医師会との連携

 2015~2017年 摂食嚥下障害に対応可能な歯科医療従事者育成事業

 2015~2018年 在宅歯科医療連携体制推進事業

 2016~2017年 認知症対応施設歯科口腔保健推進事業

 2016~2017年 高齢者のための新しい口腔保健指導推進事業

 2018~2019年 要介護者口腔保健指導推進事業

 2018~2020年 在宅療養者経口摂取支援チーム育成事業

3.歯科衛生士会との連携

 2016~2019年 日本歯科衛生士会 在宅療養指導・口腔機能管理プログラム

4.市民への啓蒙活動

 2016年 佐賀県民公開講座

      枚方市民公開講座

 2017年 高槻市民公開講座

【考察】

 これからの歯科医師は、先進医療だけでなく、時代のニーズに応じた歯科医療を追求し、提供することが非常に重要である。現在も居宅への訪問歯科診療やミールラウンド、多職種連携で行われている地域ケア会議への参加など、アプローチするべきことがたくさんある。今後も、多様化する社会のニーズに応じた摂食機能療法専門歯科医師として努めていかなければならないと考える。