The 32nd Congress of the Japanese Society of Gerodontology

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一般演題(ポスター)

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[P一般-083] オーラルフレイルと全身状態との関連性に関する研究
第4報 口腔指標と全身指標の多変量解析の検討

○野澤 一郎太1、藤原 基1、堤 一輝1、玉置 勝司1 (1. 神奈川歯科大学口腔統合医療学講座 )

[目的]
「オーラルフレイル」は、口腔に関する些細な衰えが発現している状態および過程とされている.歯科医療を行う中で,歯科医師がこの状態を早期に検出し,全身状態に移行していくフレイル対策を行うことによって,超高齢社会における健康長寿の延伸に繋がる重要な責務を担う可能性がある.本研究の目的は,医科歯科両面の指標から,口腔機能低下症を診断する具体的な口腔内指標と全身状態との関連性を詳細に分析し,確定することである.これにより,「歯科から行う健康長寿の延伸対策」を発信することが目的である.
[方法]
対象は,2017年12月から2020年9月までの神奈川歯科大学附属病院を受診し,研究に同意した外来患者を対象とした.オーラルフレイル検査と全身状態検査を実施し,その関連性について分析した.オーラルフレイル検査指標として歯数合計,グミ咀嚼,咀嚼能力,咬合検査(咬合力,咬合接触,咬合面積),舌圧,嚥下,滑舌,口腔水分,細菌カウンタ,OHIP-14,GOHAI,EAT-10を用いて,全身状態検査指標として血糖値,HbA1c,筋肉量,体脂肪量,体脂肪率,BMI,SMI(四肢骨格筋指数),握力,長谷川式簡易知能評価スケール,アルブミン,総蛋白を用いた.統計解析は単変量解析の後,多変量解析(ロジスティック回帰分析)を行った(JMP,Ver14.3.0).を行った.
[結果と考察]
単変量解析の結果,筋肉量,握力,長谷川式簡易知能評価スケールの項目においてオーラルフレイル検査指標との関連性が認められ,特に,握力検査では関連する検査指標が多かった.多変量解析の結果から,歯に関する咀嚼能力検査と体脂肪率で関連性が認められた.舌に関する検査項目では,舌圧検査とSMIで関連性が認められ,滑舌検査では握力と体脂肪率に関連性が認められた.単変量解析,多変量解析の結果から,特に舌の検査項目と握力,SMIの検査項目との関連性が示唆され,全身状態との関連性を評価できる可能性が示唆された.


神奈川歯科大学 倫理審査委員会承認番号 第579番