一般社団法人日本老年歯科医学会 第32回学術大会

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[P一般-085] 愛知県歯科医師会における歯科医師認知症対応力向上研修事業への取組

○森田 知臣1、冨田 健嗣1、小島 広臣1、富田 喜美雄1、南 全1、中井 雅人1、鈴木 雄一郎1、籾山 正敬1、武藤 直広1、上野 智史1、小川 雄右1、杉山 明聡1、森 幹太1、渡邊 俊之1、徳丸 啓二1、内堀 典保1 (1. 一般社団法人愛知県歯科医師会)

【目的】

 平成28年度から、愛知県歯科医師会は愛知県および名古屋市の委託により新オレンジプランに基づいた歯科医師認知症対応力向上研修事業を実施している。今回、これまでの5年間の実績をふまえ本研修会の取組を纏め課題と対策を検討したので報告する。

【方法】

 各年度の本研修会修了者数および研修方法を纏め検討に供した。

【結果と考察】

 本研修会修了者数は平成28年度293人、29年度161人、30年度189人、令和元年度286人、2年度403人と年度で変動が大きかった。令和2年度までの愛知県の研修修了者数は、累計1,332名であった。開始4年間は標準的なカリキュラムに基づき研修テキストを用いた講義形式の研修であった。令和2年度からは、厚生労働省老人保健健康増進等事業「認知症対応力向上研修のあり方に関する調査研究事業」で作成された、多職種連携を踏まえた演習教材の事例動画も用いて研修を実施した。希望する7地区歯科医師会へのWeb配信によるオンライン研修を実施した。また、かかりつけ歯科医の役割としての理解向上を目指し、事例動画と共に、模擬的なサービス担当者会議(多職種カンファレンス)を地域保健部員によるロールプレイ形式で収録、配信した。

 本会は認知症の方とその家族への支援のできる歯科医師の養成を目指している。本研修事業は複数年にわたる継続事業であり、研修会実施者として、いかに受講者(修了者)を確保していくかが課題となっている。かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所(か強診)の施設基準に係る届出には、本研修会等の認知症に関する研修受講が必要となっており、か強診の申請を促していくことも考えられる。コロナ禍によりWeb会議等が日常化されつつある中、Web配信による研修会は受講しやすく新しい受講スタイルとなるが、より理解の深まる内容を提供する必要がある。今後も、本会は多職種連携、地域包括センターとの連携等、時代背景や地域のニーズにあわせた取組を迅速に実施していくことが求められていると考えている。(COI開示:なし)