The 32nd Congress of the Japanese Society of Gerodontology

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一般演題(ポスター)

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教育

[P一般-066] コロナ禍でも対応可能なオンラインでの高齢者疑似体験実習プログラム

○猪越 正直1、上田 圭織1、清水畑 誠1、本村 一朗1、山本 真央1、大沼 啓1、渡辺 昌崇1、清水 健登1、久保田 一政1、水口 俊介1 (1. 東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科 高齢者歯科学分野)

【目的】

 超高齢社会の日本では,今後高齢者を診療する機会が増えることが予想される。このような社会状況を鑑み,当分野では高齢者の身体的特徴を理解するため,医学科3年生と歯学科3年生を対象に,高齢者疑似体験セット(うらしま太郎,長寿社会文化協会)を用いた高齢者疑似体験実習を行っていた。しかし,新型コロナウィルス感染拡大の影響のため,対面での高齢者疑似体験実習が困難となった。今回,コロナ禍でも対応可能なオンラインでの高齢者疑似体験実習を導入したので,報告する。



【方法】

 本実習は本学医学科3年生と歯学科3年生(計159名)を対象とした。学生を80名と79名の2つのグループに分け,それぞれ1日ずつ,3限(50分×3コマ)をかけて実施した。まず,1限目にオンラインで高齢者疑似体験に関する講義を行った。講義の前半で高齢者の身体的特徴を説明した後,約15分間高齢者疑似体験の紹介動画を閲覧させ,講義の後半に2限目に行うグループワークの説明を行った。2限目のグループワークでは学生を9〜10名の8つの班に分け,当分野所属のインストラクターをホストにしたZoomのミーティングルームを8つ設定し,グループワークを行った。グループワークでは,ブレイクアウトルームを用いつつ,「高齢者に医療を提供する上で考慮するべきこと」をテーマに,(1)来院してから待合室にいる間,(2)待合室〜処置室までの移動時,(3)会計時のそれぞれ場合に対して,①どんなことが起こりうるか,②安全に医療を提供するためにどのように工夫・対処すべきか?という点に着目してディスカッションさせ,成果を班ごとにスライドにまとめて提出させた。3限目には,班ごとにまとめたグループワークの成果のオンライン発表会を実施した。



【結果と考察】

 事後アンケートの結果,参加した学生からは本実習に対する好意的な意見が多く出された。例えば,グループワークではZoomのブレイクアウトルーム機能を活用し,10名の学生を3〜4名に分けてディスカッションしたことで,活発な意見交換ができたとの意見が多くあった。また,グループワークの際に医学科と歯学科の学生の混成班とすることで,多様な視点からの意見を盛り込むことができた。オンラインでの講義と動画教材,グループワークの組み合わせにより,対面実習に近い実習を実施できたと考えている。



(COI開示:なし)