The 32nd Congress of the Japanese Society of Gerodontology

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一般演題(ポスター)

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歯科衛生士部門

[P一般-037] 当院における周術期等口腔機能管理とCOVID -19感染防御対策

○梅田 愛里1、溝江 千花1、佐野 大成2、岩下 由樹2、梅本 丈二2 (1. 福岡大学病院 歯科口腔外科、2. 福岡大学病院 摂食嚥下センター)

【目的】
 上気道粘膜や口腔はSARS-Cov-2に対する受容体が多い。周術期等口腔機能管理において、粘膜や唾液に曝露される機会が多く、感染対策には注意を要する。今回我々は、歯科衛生士による周術期等専門的口腔衛生処置を行っていた他科患者が、手術後院内感染により、PCR検査陽性となったが、十分な感染防御対策により、感染拡大を抑えられたと思われる1例を経験したので報告する。
【症例】
 70代女性。高血圧の既往あり。2020年10月に当院他科にて手術を施行された。
歯科口腔外科外来の段階で、周術期等口腔機能管理の介入を開始。入院後に歯科衛生士による術前・術後の周術期等専門的口腔衛生処置を実施した。術後18日に経過良好にて転院したが、患者が入院していた当院の病棟でCOVID -19感染症が発生した。患者が濃厚接触者に該当し、PCR検査を行ったところ、陽性であったため、再度当院に搬送となった。
周術期等口腔機能管理において、歯科衛生士や歯科医師は個人防護具(PPE)の着用を行い、感染防御対策を徹底していたため、濃厚接触者や感染者は出なかった。
【考察】
 当院歯科口腔外科外来では、患者受診時に問診票を使って、感染者のスクリーニングを行っている。しかしながら、無症状の患者も多いため、感染に気づかず受診することも考えられる。周術期等口腔機能管理においては、超音波スケーラー等によるエアロゾルの発生があるため、外来の段階からの個人防護具(PPE)の着用を遵守し、口腔外バキュームを必ず併用している。COVID -19感染拡大している現況下においては、常日頃より感染防御対策を十分に行い、クラスターを発生させないように努める必要がある。
(COI開示:なし)