[課題2-3] 歯科医院の外来患者における口腔機能低下症とフレイルの関係
【目的】
フレイル予防には高齢者の食事状況が重要であり、歯科の担う役割は大きい。フレイルもしくはプレフレイルと口腔機能低下症との報告はまだ少なく、歯科医院に通う患者に対する口腔機能低下症とフレイルとの関係は明らかにされていない。そこで今回は歯科医院の外来患者を対象に口腔機能低下症とフレイルとの関連を明らかにすることを目的とした。
【方法】
東京都と千葉県にある3つの歯科医院を受診した40歳から96歳までの患者で研究に同意が得られた男女151名(年齢 中央値74.0歳)を対象とした。口腔機能精密診査にて口腔機能低下症の診断を行った。フレイルの診断については厚生労働省作成の基本チェックリストを用いてRobust、Pre-frail、Frailの3群の判定を行った。加えて年齢、BMI、MNA-SF、握力を測定した。統計解析は65歳未満、65から74歳および75歳以上の群において、それぞれ口腔機能低下症の有無とRobust群、Pre-frail群、Frail群との関連をカイ二乗検定にて検討した(α=0.05)。
【結果と考察】
年齢別の割合では65から74歳の者は41名(27.2%)、75歳以上の者は78名(51.7%)であった。被験者全体での口腔機能低下症の該当率は54名(35.8%)であった。Frail群の該当率は27名(17.9%)であった。65歳以上および75歳以上では、口腔機能低下症の有無とRobust群、Pre-frail群、Frail群との間に有意な関連があった。65から74歳では関連は認められなかった。65から74歳の群でのFrail群の該当率は、口腔機能低下症のない群の8%と比較して、口腔機能低下症のある群では20%と、2倍近く多かった。
歯科医院の高齢患者においては、特に75歳以上で口腔機能低下症とフレイルとの関連があることがわかった。以上のことから、歯科医院の65歳以上の患者においては、口腔機能低下症に該当する者はフレイルもしくはプレフレイルの状態である可能性が高い。それらの患者の口腔機能管理を積極的に行うことで、食事や会話の楽しみが増えることや栄養状態を改善することができ、フレイルの予防・改善につながる可能性があることが示唆された。
(東京歯科大学倫理審査委員会承認番号 986)
フレイル予防には高齢者の食事状況が重要であり、歯科の担う役割は大きい。フレイルもしくはプレフレイルと口腔機能低下症との報告はまだ少なく、歯科医院に通う患者に対する口腔機能低下症とフレイルとの関係は明らかにされていない。そこで今回は歯科医院の外来患者を対象に口腔機能低下症とフレイルとの関連を明らかにすることを目的とした。
【方法】
東京都と千葉県にある3つの歯科医院を受診した40歳から96歳までの患者で研究に同意が得られた男女151名(年齢 中央値74.0歳)を対象とした。口腔機能精密診査にて口腔機能低下症の診断を行った。フレイルの診断については厚生労働省作成の基本チェックリストを用いてRobust、Pre-frail、Frailの3群の判定を行った。加えて年齢、BMI、MNA-SF、握力を測定した。統計解析は65歳未満、65から74歳および75歳以上の群において、それぞれ口腔機能低下症の有無とRobust群、Pre-frail群、Frail群との関連をカイ二乗検定にて検討した(α=0.05)。
【結果と考察】
年齢別の割合では65から74歳の者は41名(27.2%)、75歳以上の者は78名(51.7%)であった。被験者全体での口腔機能低下症の該当率は54名(35.8%)であった。Frail群の該当率は27名(17.9%)であった。65歳以上および75歳以上では、口腔機能低下症の有無とRobust群、Pre-frail群、Frail群との間に有意な関連があった。65から74歳では関連は認められなかった。65から74歳の群でのFrail群の該当率は、口腔機能低下症のない群の8%と比較して、口腔機能低下症のある群では20%と、2倍近く多かった。
歯科医院の高齢患者においては、特に75歳以上で口腔機能低下症とフレイルとの関連があることがわかった。以上のことから、歯科医院の65歳以上の患者においては、口腔機能低下症に該当する者はフレイルもしくはプレフレイルの状態である可能性が高い。それらの患者の口腔機能管理を積極的に行うことで、食事や会話の楽しみが増えることや栄養状態を改善することができ、フレイルの予防・改善につながる可能性があることが示唆された。
(東京歯科大学倫理審査委員会承認番号 986)