The 32nd Congress of the Japanese Society of Gerodontology

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一般演題(口演)

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一般口演2
症例・施設1

Sun. Jun 13, 2021 9:00 AM - 9:40 AM Line C (ライブ配信)

座長:上田 貴之(東京歯科大学老年歯科補綴学講座)、髙橋 一也(大阪歯科大学高齢者歯科学講座)

[O2-1] 歯科病院内科クリニックと高齢者歯科との連携によるオーラルフレイルの対応

○古屋 純一1、佐藤 裕二1、木庭 新治2、畑中 幸子1、内田 淑喜1、大澤 淡紅子1、桑澤 実希1、七田 俊晴1、馬場 一美3 (1. 昭和大学歯学部高齢者歯科学講座、2. 昭和大学歯科病院内科クリニック、3. 昭和大学歯学部歯科補綴学講座)

【目的】
高齢者医療においては、フレイル・介護予防と要介護高齢者の支援の両面からのアプローチが重要である。厚生労働省の健康寿命延伸プランにおける介護予防対策の一つが、高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施である。高齢者の疾病予防・重症化予防と生活機能改善による介護予防を地域で一体的に行うこの対策では、歯科を含めた医療機関も積極的な参画が期待されている。特にオーラルフレイルは、口腔機能低下症、摂食嚥下障害、心身の機能低下に通じる一連の現症で、フレイルに悪影響を与えうることから、一次医療の場でも積極的に取り組むことが重要である。そこで今回、我々が行っている医科歯科連携によるオーラルフレイル対応の取り組みを報告する。
【方法】
昭和大学歯科病院は内科クリニックを有し、循環器内科の医師を中心としたプライマリケアに重点を置いた高齢者医療を行っている。高齢者歯科と内科との連携は歯科治療前の全身管理が中心であった。そこで、2021年1月より、地域のかかりつけ医療機関として、医科と歯科によるフレイル対策の取り組みを開始した。内科では70歳以上の通院高齢患者を対象として、基本チェックリストとオーラルフレイルチェックリストを用いたフレイルとオーラルフレイルのスクリーニングを行っており、オーラルフレイルチェックリストで4点以上となった場合には、口腔機能低下症の疑いありとして内科から高齢者歯科に紹介し、口腔機能低下症の検査と歯科保健指導を行うこととしている。
【結果と考察】
取り組み開始から1か月が経過した時点であるが、内科にて86人にスクリーニングを実施し、うち41人が4点以上となり、口腔機能低下症疑いとなって高齢者歯科を紹介された。こうした医科においてオーラルフレイルを積極的に発見し、歯科において口腔機能の診断と指導を行うという一連の取り組みは新規性が高く、オーラルフレイルは多方面から発見し関わることが肝要であることからも、今後の医科歯科連携によるフレイル対策として重要と考えられる。また、オーラルフレイル対応の目的の1つは栄養障害の改善であるが、歯科治療だけでは栄養状態の改善は困難で、栄養指導が重要とする報告もある。今後、4月には内科に管理栄養士が勤務予定になっており、口腔機能低下症を認めた患者を歯科から医科へ紹介する等、口腔機能と栄養を結ぶさらなる連携の充実が期待される。