[DHSY-3] 認知症の人への歯科衛生士の関わり~口腔健康管理を通して~
【略歴】
1974年 東京医科歯科大学歯学部付属歯科衛生士学校卒業
1974年 NHK渋谷本局厚生部歯科診療室勤務
1986年 千葉県柏厚生病院歯科口腔外科勤務
1998年 群馬大学歯科口腔外科研究室勤務
2004年 群馬県主催健康大学口腔分野講師 はるな歯科勤務
2005年 世田谷区立特別養護老人ホーム芦花ホーム勤務
1974年 東京医科歯科大学歯学部付属歯科衛生士学校卒業
1974年 NHK渋谷本局厚生部歯科診療室勤務
1986年 千葉県柏厚生病院歯科口腔外科勤務
1998年 群馬大学歯科口腔外科研究室勤務
2004年 群馬県主催健康大学口腔分野講師 はるな歯科勤務
2005年 世田谷区立特別養護老人ホーム芦花ホーム勤務
芦花ホームの入所者100名の約9割の方に認知症の症状があります。
嚥下機能低下の方々も多く、軟らかい食事形態になり、水分補給の際には、甘くしたお茶にトロミをつけて飲んでいただいています。
朝食後に口腔ケアをし、その2時間後にはお茶の時間、11時40分には昼食になります。14時には皆さんが楽しみにしているおやつの時間 、そして17時40分に夕食となります。
食事やおやつの摂取時以外は、口腔内は酸性に傾いた状態が長時間となります。
また、おしゃべりをしたり、おひとりで歩ける方は1割以下です。唾液の流出が少ない上、さらに唾液のスピードもゆっくりなことから、口腔内の環境は良い状態ではなく、口腔ケアは非常に大切になります。
誤嚥性肺炎の予防はもとより、「8020運動」の効果により、10年前と比較しても個々の残存歯数はずっと増えていますが、歯周病予防のために、さらに丁寧なブラッシングが必要になっています。
私の勤務は週5日で、特養ホームに加え通所介護も担当します。通所介護の口腔機能向上に参加されている利用者がコロナ禍以前は90名程度いらしたので、特養ホームと合わせて190名の方の口腔健康管理となり、多職種協働は欠かせません。
芦花ホームの入所者の口腔環境としては、年々ケアは難しくなっているにもかかわらず、ここ5年程は誤嚥性肺炎での入院はほとんどありません。
それは、介護士との協働の成果だといえます。
成果をもたらした、いくつかの理由をあげます。
①口腔に関する研修の実施。(歯科医師・歯科衛生士による年1回の全体研修。芦花ホームの新人職員向けの随時の個別研修【1回につき1~2名】)
②月1回の専門医によるミールラウンドやVE検査の実施(検査後の指示と指導助言)
③令和2年度までの、「口腔衛生管理の体制加算の助言内容」の活用
これらのことにより、専門知識のさらなる習得と、適宜の助言を得ること可能となりました。その結果、日常的に
・嚥下機能低下の方に対しての食前、食後の口腔ケアの徹底
・必要な方に対する、個別の口腔機能訓練の毎日の実施
・口腔乾燥の改善に生理食塩水の塗布の継続。
・食事介助をその方の状態を観察しながら、変化を多職種で話し合い、定期的なモニタリングで課題を共有し、状況によっては専門医に繋げる食事内容及び形態変更の流れの統一
などに取り組めています。
個別の口腔機能訓練については、課題・原因・対応策・方法など画像入りの計画を作成するなどして、口腔に関するケアプランの立案や、毎日または毎回行う口腔ケアを容易にする工夫をしています。
このようなアイデアも職員間でのコミュニケーションが多くある芦花ホームだからこそ生まれたものといえます。
今回の発表ではいくつかの具体的な取り組みを紹介致します。
嚥下機能低下の方々も多く、軟らかい食事形態になり、水分補給の際には、甘くしたお茶にトロミをつけて飲んでいただいています。
朝食後に口腔ケアをし、その2時間後にはお茶の時間、11時40分には昼食になります。14時には皆さんが楽しみにしているおやつの時間 、そして17時40分に夕食となります。
食事やおやつの摂取時以外は、口腔内は酸性に傾いた状態が長時間となります。
また、おしゃべりをしたり、おひとりで歩ける方は1割以下です。唾液の流出が少ない上、さらに唾液のスピードもゆっくりなことから、口腔内の環境は良い状態ではなく、口腔ケアは非常に大切になります。
誤嚥性肺炎の予防はもとより、「8020運動」の効果により、10年前と比較しても個々の残存歯数はずっと増えていますが、歯周病予防のために、さらに丁寧なブラッシングが必要になっています。
私の勤務は週5日で、特養ホームに加え通所介護も担当します。通所介護の口腔機能向上に参加されている利用者がコロナ禍以前は90名程度いらしたので、特養ホームと合わせて190名の方の口腔健康管理となり、多職種協働は欠かせません。
芦花ホームの入所者の口腔環境としては、年々ケアは難しくなっているにもかかわらず、ここ5年程は誤嚥性肺炎での入院はほとんどありません。
それは、介護士との協働の成果だといえます。
成果をもたらした、いくつかの理由をあげます。
①口腔に関する研修の実施。(歯科医師・歯科衛生士による年1回の全体研修。芦花ホームの新人職員向けの随時の個別研修【1回につき1~2名】)
②月1回の専門医によるミールラウンドやVE検査の実施(検査後の指示と指導助言)
③令和2年度までの、「口腔衛生管理の体制加算の助言内容」の活用
これらのことにより、専門知識のさらなる習得と、適宜の助言を得ること可能となりました。その結果、日常的に
・嚥下機能低下の方に対しての食前、食後の口腔ケアの徹底
・必要な方に対する、個別の口腔機能訓練の毎日の実施
・口腔乾燥の改善に生理食塩水の塗布の継続。
・食事介助をその方の状態を観察しながら、変化を多職種で話し合い、定期的なモニタリングで課題を共有し、状況によっては専門医に繋げる食事内容及び形態変更の流れの統一
などに取り組めています。
個別の口腔機能訓練については、課題・原因・対応策・方法など画像入りの計画を作成するなどして、口腔に関するケアプランの立案や、毎日または毎回行う口腔ケアを容易にする工夫をしています。
このようなアイデアも職員間でのコミュニケーションが多くある芦花ホームだからこそ生まれたものといえます。
今回の発表ではいくつかの具体的な取り組みを紹介致します。